2022 Fiscal Year Research-status Report
investigation into processing of temporal relationship between motor actions and sensory signals
Project/Area Number |
19K14470
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻田 匡葵 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (90839036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 時間再較正 / 同時性判断 / 時間順序判断 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度では,まず,令和3年度に行った予備的実験のデータ分析を行った。参加者の能動的なキー押しと視覚的フラッシュとの間に時間差を設け,その時間差に順応した時の時間順序や同時性の知覚を調べる予備的実験であった。先行研究と異なる試行数や順応時間でも順応効果が認められるのかを確認するための予備的実験であった。試行数が先行研究よりも少ないため,データ分析にこれまで検討されていない特殊な分析(一般化線形混合モデル)を用いる必要があった。本年度はその分析方法の習得に時間を割く必要があったが,結果的に無事順応効果を確認することができた。そのため,次の本実験ではこの実験パラダイムを用いて検討することを決定した。 次に,本実験の計画を立てた。本実験の目的は,能動性の有無が身体運動と感覚との間の時間関係の知覚にどのような影響を及ぼすのか検討することであった。この検討のために,能動的身体運動と受動的身体運動で比較を行うような実験計画を立てた。具体的には,自動的に指を押し上げるような機械を自作し,能動的に指でキーを押すのと比べるという実験計画であった。特殊な機械となるため,共同研究者とどのような機械を作成すれば良いかを話し合い,購入すべき機器や作成のスケジュールなどの見通しを立てた。また,機械作成のために必要な電子工作のノウハウを習得するための勉強に時間を割いた。次年度では,実際に機械を作成し完成させ,本実験の実施,分析まで進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当プロジェクト以外の研究が立て込んでいたこと,また新型コロナウイルス感染症の蔓延によって参加者を呼んで実験を行うのがまだ気軽に行えないこともあって,計画していた実験をほとんど進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し,以前よりも実験を気軽に実施することが可能となるため,ペースを上げて様々な実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の蔓延のため,当該プロジェクトが始まってからこれまでに十分な実験を実施することができなかった。そのため,実験の実施に必要な参加者への謝金,また研究成果を発表する際の国内外の学会に参加するための旅費などを使用する頻度が少なくなってしまったため,次年度使用額が生じてしまっている。次年度は実験を実施して上記のような用途で研究費を使用する計画である。
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