2019 Fiscal Year Research-status Report
Investigating the unit of language acquisition: young children's chunk-based learning of Japanese verb predicates
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19K14474
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
巽 智子 神戸大学, 国際文化学研究科, 講師 (60837988)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 言語習得 / 日本語 / 心理言語学 / 言語学 / 会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は本プロジェクトの開始年度であり、2つの研究に着手した。 1つは、子供のチャンク繰り返し発話実験研究であり、先行研究に基づいて実験調査のデザインを決定した上で、ある保育園にて実験を開始した。3-4歳の子供約10名に対して実験を実施し、録音データを得た。このデータについては現在分析に向けてコーディングをしている。また、合計で30名ほどの参加者が必要となるため、他の保育園等で実験を継続するよう準備を進めてきていたが、現在のコロナウイルスに係る情勢により、2020年3月以降、実験実施は全て停止している。 もう1つの研究は、コーパスデータを用いた子供の動詞使用についての統計モデルの研究である。CHILDESdatabaseを用い、大量の日本語の親子の発話データを分析するもので、2019年末より着手した。具体的には、言語習得中の子供が、日常会話において日本語の動詞をどのように使うかを、先行発話からの繰り返しについて探る研究である。この研究は現在、モデル分析の最終調整および執筆を進めているところである。この研究に関して、2020年1月末に大分で開催されたヒューマンコミュニケーション基礎研究会(HCS)にて口頭発表を行った。また、2020年5月末の国内での国際学会および7月のアメリカでの国際学会で研究成果を発表する予定であったが、前者は中止、後者は2021年へと1年間の延期が決まった。今後、また別の学会等の機会で発表することも検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画していた内容は概ね達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、コロナウイルスに係る状況により、実験調査の実施が困難である状況がある。この研究の進捗が捗らない可能性が高いため、2年目である今年度は、データベースを用いた研究の論文を最優先に完成、発表できるように進める計画である。更に、この研究を発展させてデータベースを用いた別のモデリング研究にも着手する予定である。
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Causes of Carryover |
実験実施を、大学構内にて行う計画を立てていたため、備品や謝金などの出費を多く予算に含めていたが、実際には実験は当面大学外(地域の保育園など)にて進めることとしたため、次年度使用額が生じた。また、データ入力などを行うアシスタントの勤務時間が予定より少なくなったことも原因である。 今後の使用計画としては、現在進めている実験調査の実施にかかる費用、特にデータ入力や分析を担当するアシスタント経費として使用する。また、国際学会で研究成果を発表するための費用としても使用する予定である。
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Research Products
(1 results)