2019 Fiscal Year Research-status Report
視覚対象への身体運動制御を伴う場面での表象の修正メカニズムの解明
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19K14475
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
村越 琢磨 駿河台大学, 心理学部, 准教授 (70624724)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 表象形成過程 / 視覚運動協応 / 記憶表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,視覚対象への身体運動制御を伴う場面での表象の修正メカニズムの解明のために,表象の形成過程に関する課題の作成,実施準備をおこなった。具体的には,実験装置の作成と実験室の整備,研究計画の深化と改善,実験プログラムの開発等を行った。 本年度は全世界的な新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,研究代表者の所属する研究機関においても感染拡大防止措置が講じられた。これに従い,大学構内への入構制限および最低限の研究活動の維持のための活動以外の研究活動の制限が実施された。そのため,実験参加者を実験室に呼び込んでのデータ測定や予備調査については中止または延期の措置を取らざるを得なくなった。 研究成果の発表に関しては,チェコ共和国で開催予定であった国際心理学会(ICP2020)への研究発表申し込みを行い,査読審査の結果,発表許可を受け,本年7月に学会発表を行うこととなった。しかしながら,現在の世界情勢に鑑み,当該学会の本年度の開催が見送られる運びとなり,2021年に学会の開催が延期となった。一方,2019年11月に神戸大学で開催された日本基礎心理学会第38回大会においては,記憶表象の正確性と確信度に関して検討した研究結果についてポスター発表形式による成果発表を行った。 総合的には,十全とはいかないまでも研究計画の着実な実施のための準備に関しては,可能な範囲において研究計画に則り進捗したと考えられる。しかしながら,現在の状況に対応するような,例えば,オンラインでの実験実施や実験参加者の確保といった,新しい生活様式に即した研究体制の整備については,具体策を模索中であり,今後の対応策を早急に講じることの必要性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の前半では研究計画実施のための環境整備や装置およびプログラムの作成が主な内容であった。後半ではそれらの準備を基に,予備実験によるデータ測定やその検討を行う予定であった。しかしながら,本年度は新型コロナウィルスの感染拡大防止措置により,研究代表者の所属する研究機関でも年度末よりより入構制限が実施された。また,研究活動についても研究活動を維持するための最低限の活動以外については制限を課す措置が継続されいてる。上記のような理由から,現在,以前と同じような実験室へ立ち入りや,実験参加者を実験室に呼び込んでの実験実施などは自粛している状態である。このため,研究計画を申請した段階で予定していた,実験実施体制の整備やデータ測定に関しては中止または延期の措置を取らざるを得なくなった。同時に,新型コロナウィルスの感染拡大防止措置に伴う,大学の業務体制や授業形態の変更によって,研究活動に対するエフォートへ予定以上の負荷がかかることとなった。研究計画の申請時には,このような事態を想定した対策は立てられておらず,完全に不測の事態となった。年度の後半では,このような状況の中で可能な活動の精査とそれらを利用した研究活動の継続についての対応に追われることとなり,申請当初に予定していた研究計画の進捗に関してはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の入構制限や研究活動の自粛要請が解除される時期については未定であるが,制限の解除までは,実験参加者を実験室に呼び入れての実験実施は難しい。本研究計画では,人を対象とした心理学実験がその主たる研究内容であり,データの測定に関しても,運動課題を伴うために実験室での対面による実施が必要である。そのような課題の実施には,入構制限の解除,研究活動の再開が必要となる。今後の研究の推進方策としては,基本的には状況を注視しつつ,実験参加者,実験者などの研究に携わる人々の安全を最優先事項とし,その状況において利用可能な環境範囲内において,研究を進捗させる方針となる。同時に,このような状況が今後も続くことも考慮に入れ,研究計画の修正や実験内容の変更も検討する必要がある。例えば,運動課題を伴わずに実施可能な実験を立案,実施し,視覚表象の形成過程や表象の貯蔵,検索について調べるような研究計画の修正を試みることも今後の課題の一つである。 制限解除の折には,当初の研究計画の通りに実験を実施することになるが,その場合でも実験参加者やその他研究に関わる人々の安全を最優先として,適宜,実験課題や研究体制を修正し,実施時期と実施内容のウェイトを再調整することで,実施可能な研究内容に関して継続して進めていくことになる。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウィルス感染拡大予防措置に伴い,研究機関への入構制限及び研究活動の制限が実施された。それに伴い,実験参加者を実験室に招き入れてのデータ測定や,実験室整備のための自由な立ち入りについても制限を受けることとなった。次年度については,制限解除の方針を見極めながら,本年度に未達成の研究計画について遂行し,予算を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)