2020 Fiscal Year Research-status Report
共感と記憶の相互作用を担う神経基盤に社会的関係と加齢が与える影響の解明
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19K14489
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 光 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (00829822)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 共感 / 報酬 / 記憶 / 内側眼窩前頭皮質 / 海馬 / 会話 / 実行機能 / 外側前頭前皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には、「共感と記憶の相互作用を担う神経基盤に社会的関係と加齢が与える影響」を解明するためのfMRI実験で使用する刺激を統制するための予備調査を実施した。今後は予備調査で得られたデータをもとに、本実験で使用する刺激や課題を作成し、予備実験や本実験を実施する予定である。2020年度の主な研究成果として、社会的相互作用に由来する自己の報酬が記憶に与える影響とその脳内機構を明らかにした論文や、会話をベースとした介入法による語流暢性の促進効果を媒介する神経基盤の候補を明らかにした論文が国際学術雑誌に掲載されたことが挙げられる。前者の研究では、他者との競争における勝利のような社会的相互作用に由来する自己の報酬によって記憶は促進されることが示され、その神経基盤として報酬関連領域である内側眼窩前頭皮質と記憶関連領域である海馬の相互作用メカニズムが同定された。後者の研究では、共感などの社会的能力を要する会話をベースとした介入法による語流暢性の促進には、実行機能に関連する左右の外側前頭前皮質などの脳領域間の安静時の機能的結合が重要な役割を果たすことが示唆された。ヒトは会話をはじめとする他者との相互作用の中で、様々な感情を抱き、多くの事象について学習するが、これまでのところ、社会的相互作用の中で変化する認知機能の心理・神経メカニズムについては不明な点が多かった。前述の研究成果は、こうした社会神経科学の問いに答えるものであり、当該分野の発展に寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる影響で、fMRI研究の進行に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度には、当初の計画通り、fMRI研究を速やかに実施することをめざす。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる影響で、fMRI研究の進行に遅れが生じ、次年度使用額が発生した。今後は当初の計画通りに使用する予定である。
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Research Products
(8 results)