2023 Fiscal Year Research-status Report
シンプレクティック群上の新谷関数とその保型L関数への応用
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19K14507
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
源嶋 孝太 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 特任講師 (20839196)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新谷関数 / ヒルベルトモジュラー形式 / 保型L関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
新谷関数は2つの簡約群上の保型形式に対して定義される特殊関数であり、特に、村瀬・菅野ゼータ積分による保型L関数の構成および、保型L関数の比較研究において重要な役割を果たす。 昨年度は、ヒルベルト保型形式と楕円保型形式に付随する新谷関数のみたす微分方程式を導出した。特に、その微分方程式の解を双曲線関数を用いて構成し、ヒルベルトモジュラー形式と楕円モジュラー形式に付随する新谷関数の明示公式を証明した。 また、ビアンキモジュラー形式と楕円保型形式に付随する新谷関数に対して、カシミール元の保型形式への作用から得られる微分方程式と、Kタイプの次元をずらすシフト作用素から得られる微分方程式を比較することで、そのような新谷関数が存在しないことがわかった。 今後は得られた新谷関数の明示公式を用いて村瀬・菅野ゼータ積分を計算し、ヒルベルトモジュラー形式と楕円モジュラー形式の間の関係式の導出を目指す。また、その関係式の応用として、ヒルベルトモジュラー形式の特殊値の研究を行っていきたい。 ヒルベルトモジュラー形式に関する研究の一環として、土居・長沼リフトのアデール的定式化に関する研究も行った。2次体の判別式について技術的な仮定が必要なものの、アデール群上の保型形式の言葉で、楕円モジュラー形式とヒルベルトモジュラー形式の間のリフティングを構成することができた。 今後は得られたリフティングについて、判別式に関する技術的な仮定を外せるか、土居・長沼リフトのノルムを保型L関数の特殊値を用いて表すノルム公式が導出できるかについて検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒルベルト保型形式と楕円保型形式に付随する新谷関数に関する重複度自由定理についてよく知られた結果があるが、今回得られた結果はその精密化にあたる。特に、どのような表現の対に対して重複度が0になるのかを明らかにできたという点で、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は昨年度得られた新谷関数の明示公式を用いて村瀬・菅野ゼータ積分を計算し、ヒルベルトモジュラー形式と楕円モジュラー形式の間の関係式の導出を目指す。また、その関係式の応用として、ヒルベルトモジュラー形式の特殊値の研究を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
一身上の都合により、昨年度予定していた国内、および海外出張の予定がなくなってしまったため。
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Research Products
(1 results)