2022 Fiscal Year Research-status Report
多重ゼータ関数の解析的性質研究への複素関数関係式の応用
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19K14511
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野塚 友一 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 学術研究員 (80838722)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多重ゼータ値 / 多重ゼータ関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は「多重ゼータ関数の解析的性質」の解明であり、そのために種々の多重ゼータ関数を研究している。 本年度は2重ゼータ関数のマイナス方向での漸近式に関する研究を進展させた。本研究は多重ゼータ関数がどのような値をとるか調べる研究の一環である。2重ゼータ関数のマイナス方向における漸近挙動についていくつか既存の結果があるが、本研究によりこれまでよりも詳細な結果が得られた。この研究は論文としてまとめて、学術雑誌に投稿した。 また、Schur多重ゼータ値の積分表示に関する研究も行った。Schur多重ゼータ値はEuler-Zagier型多重ゼータ値や等号付き多重ゼータ値を含む、大きなクラスの多重ゼータ値である。そのような大きなクラスのSchur多重ゼータ値が、ある条件を満たす場合に積分表示を持つことが示せた。この積分表示はEuler-Zagier型多重ゼータ値や等号付き多重ゼータ値の積分表示の一般化となっている。本結果の応用として、Schur多重ゼータ値の間の関係式も与えることができた。この研究で得られた結果も論文としてまとめ学術雑誌に投稿した。 さらに、多重ゼータ関数の非正の整数点周りでの漸近挙動の研究も昨年度に引き続き継続している。昨年度の研究により得られた漸近挙動の式にはいくつもの係数が現れるが、それらの係数は複雑な和になっており計算が大変である。この係数を明確に書き表すことを目標としている。この研究はまだ進行途中あるが、早い時期に完成させ論文として投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により対面での共同研究は減ったものの、多重ゼータに関する研究結果は出せており、論文も投稿できている。また、今後の研究についても問題なく継続できそうである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の多重ゼータ関数の非正の整数点周りでの漸近挙動に関する研究を継続して進めていく。それと並行して、複素関数関係式の応用にも取り組みたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、年度前半の出張がほとんどキャンセルとなった。そのため旅費が使用されなかった。本来行われる予定だった対面での共同研究を再開するための旅費に使用する。
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Research Products
(5 results)