2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K14513
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
塚本 真由 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (40832910)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強準遺伝多元環 / 大域次元 |
Outline of Annual Research Achievements |
支配次元が2以上かつ大域次元が2以下となる多元環を Auslander 多元環とよぶ. Auslander 多元環と有限表現型の多元環との間には一対一対応( Auslander 対応)があるため, Auslander 多元環は多元環の表現論において重要な多元環のクラスと考えられる. Crawley-Boevey--Sauter は多元環の支配次元が2以上となることの必要十分条件を傾加群を用いて与え, その系として大域次元が2の多元環が Auslander 多元環となる特徴付けを傾加群によって与えた. 他方, Iyama によって忠実ねじれ類と相対 Auslander 多元環の間の一対一対応が与えられた. 相対 Auslader 多元環は, 大域次元が2以下であり, Auslander 多元環の一般化の一つである. そこで該当年度では, 大域次元が2以下の多元環が相対 Auslander 多元環となる必要十分条件を傾加群を用いて与えることを動機とし, 上記の Crawley-Boevey--Sauter の定理の一般化を与えた. 昨年度までの研究において, 大域次元が2以下の多元環は強準遺伝多元環となることを証明した. 相対 Auslander 多元環の大域次元は2以下であるため, 強準遺伝多元環となる. 他方, Ringel によって両側強準遺伝多元環の大域次元が2以下となることが知られている. そこで該当年度に与えた定理の系として, 相対 Auslander 多元環が両側強準遺伝多元環となる十分条件を傾加群を用いて与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
両側強準遺伝多元環は強準遺伝多元環の特別なクラスである. また大域次元が2以下の多元環は強準遺伝多元環であり, 両側強準遺伝多元環の大域次元は2以下である. しかし一般にこれらの主張の逆は成り立たない. そこで, 大域次元が2以下の多元環と両側強準遺伝多元環の間にはどれくらいの隔たりがあるのかを調べることを研究課題の一つとしている. 該当年度では, 相対 Auslander 多元環について考察し, 相対 Auslander 多元環が両側強準遺伝多元環となる十分条件を与えることに成功したため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の一つである大域次元が有限な多元環の構成法について, 今後は次の方策で研究を進める. 強準遺伝多元環は特別な削除部分圏の列で特徴付けることができる. そこで, 削除部分圏を一般化した概念を導入することで, 大域次元が有限な多元環を構成することを目指す.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い, 年度末に予定していた出張を取り止めたため次年度使用額が生じた. 引き続き次年度も出張が難しい状況が続くと考えられる. そこで, Web 上でのセミナーや研究集会へ積極的に参加し情報収集及び講演を行うための端末購入を予定している.
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Research Products
(4 results)