2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K14513
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
塚本 真由 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (40832910)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大域次元 / 準遺伝多元環 / 準傾対象 / Extriangulated 圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は大域次元が有限な多元環の構成を与えることである. 2022年度は, 大域次元が有限な多元環である準遺伝多元環の構成に着目し研究を行った. Dlab--Ringel と Parshall--Scott はアーベル圏または三角圏の対象から自己準同型多元環として準遺伝多元環を実現する手法を与えた. より詳細には, アーベル圏や三角圏の標準化可能集合を含む拡大で閉じた最小の部分圏の射影生成元または入射余生成元の自己準同型多元環は準遺伝多元環となる. 他方, Nakaoka--Palu はアーベル圏や三角圏の拡大で閉じた部分圏を統一的に扱う枠組みとして Extriangulated 圏を導入した. 2022年度は, 標準化可能集合を含む拡大で閉じた最小の部分圏の射影生成元と入射余生成元がともに Extriangulated 圏の準傾対象となっていることを動機とし, Extriangulated 圏の準傾対象について研究を行った(山口大学の足立崇英氏との共同研究). 特に, Extriangulated 圏の準傾対象に変異の概念を導入し, 変異によって新たな準傾対象が得られることを示した. さらに, 拡大で閉じた部分圏が有限表現型の場合には射影生成元から変異を繰り返すことで入射余生成元にたどり着くことを示した. これらの結果をまとめた論文を現在投稿中である. また, 2020年度に得られた結果(弱削除鎖を持つことを neat 多元環とよばれる大域次元が有限な多元環を用いて特徴付けを与える)については, Canadian Mathematical Bulletin に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Extriangulated 圏の準傾対象について, これまでの研究内容を更に発展させることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度から引き続いて大域次元が有限な多元環の中でも特に良い振る舞いをする準遺伝多元環に着目し研究を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により,参加を予定していた研究集会や研究打ち合わせが中止や延期, オンライン開催となったため次年度使用額が生じた. 徐々に対面での研究集会や研究打ち合わせが再開され始めているので, これらに参加するための旅費として使用する予定である.
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Research Products
(6 results)