2022 Fiscal Year Research-status Report
総実代数体上への志村谷山予想の一般化とアーベル曲面の保型性への応用
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19K14514
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
吉川 祥 学習院大学, 理学部, 研究員 (10803736)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 楕円曲線 / モジュラー曲線 / モジュラー形式 / 岩澤理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度も引き続き楕円曲線の保型性(すなわち、楕円曲線のL関数が、あるクラスのモジュラー形式や保型表現に付随するL関数と一致するという性質)に関する研究を行った。特に、Fを実二次体Kの円分Z_p拡大の部分体とした場合に、F上の楕円曲線が保型性を持つかどうかを考察した。より具体的には、Kとpに関して明示的な条件を与え、その条件が満たされるならば、上記のような任意のFに対してF上のすべての楕円曲線が保型的であることを導いた。 このようなFは有理数体の総実アーベル拡大である。有理数体の総実アーベル拡大上の楕円曲線の保型性は私自身が以前研究していたが、今回の結果により、以前の成果では取り扱えなかった一部のFについてもF上の楕円曲線の保型性を導くことが出来た。 Fが有理数体の円分Z_p拡大に含まれる場合、F上の楕円曲線の保型性はJack Thorne氏によって既に証明されていた。このThorne氏の結果を踏まえ、Xinyao Zhang氏(東京大学)はFが実二次体の円分Z_p拡大の場合を考察し、部分的な結果を得ている。上記の私の実績は、Zhang氏の結果を踏まえて得られたもので、氏の結果を拡張するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ひとつのまとまった結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実二次体の場合を越えて、巡回三次拡大の場合も研究していく。また、楕円曲線の保型性を離れ、保型形式のp進族(eigenvarieties)やp進表現のモジュライ(Emerton-Gee stacks)の研究にも参入していきたい。
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Causes of Carryover |
昨年度は、国内出張は複数回行ったが、特に海外渡航が困難であったために予算を十分に使用することが出来なかった。
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