2023 Fiscal Year Research-status Report
Calabi-Yau多様体の自己同型と不変量の研究
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19K14520
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大内 元気 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (40827367)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 代数幾何学 / 導来圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
代数幾何学において, 連接層の導来圏について研究している. これまで研究してきた導来圏上の安定性条件の空間, 半安定対象のモジュライ空間と導来圏の自己同値に加えて, 三角圏のスペクトラムと呼ばれる環付き空間について研究した. . 今年度は, K3曲面上の安定性条件の退化, 曲線の導来圏の長さ有限のthick部分圏の分類, ピカール数1のK3曲面上のフーリエ向井軌跡の記述などについて進展があった. いずれのテーマも連接層の導来圏の三角圏構造がどのような幾何学的な情報を持っているのか?という問題と関連している. K3曲面上の連接層の導来圏について, spherical objectのmassが0になるような安定性条件の退化について, Broomhead, Pauksztello, Ploog, Woolfらによるlax stability conditionという枠組みで考察した. ここで考察したlax stability conditionは, Bridgeland安定性条件の空間のThurstonコンパクト化の境界の点を定めると期待している. また, 最近の三角圏のスペクトラムの研究の進展と関連して三角圏のthick部分圏のなす束や位相空間の構造に興味を持っている. thick部分圏のなす束に注目して, 三角圏の長さを定義し, 曲線の導来圏の長さ有限のthick部分圏の分類をした. また, K3曲面上の安定性条件を用いて, ピカール数1のK3曲面のフーリエ・向井軌跡を決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々なトピックについてある程度の結果を得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
安定性条件の退化やthick部分圏の研究とK3曲面の周辺の代数多様体の自己同型の研究も並行して進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で約2年分の研究費を繰り越していたため。
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