2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K14537
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
山中 仁 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (90725011)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GKMグラフ / 同変コホモロジー剛性 / 同変全Chern類 / トーラスグラフ / 円周角の定理 / 接弦定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、GKMグラフの同変コホモロジー剛性の精密化に関する結果を得た。以前示した同変コホモロジー剛性は代数的な観点からは満足のいくものであったが、そのときに採用したGKMグラフの同型の概念にはある種の符号不定性が残っており、幾何的な観点からはさらに考察する余地があった。
今年度の研究において、GKMグラフにも同変全Chern類の概念が定まることを見出し、これが上記の符号不定性を解消すること、GKMグラフの特別な場合であるトーラスグラフの場合には同変1次Chern類だけでその符号不定性が解消されることを示した。この結果は、幾何的には、同変コホモロジーと同変全Chern類をペアにしたものを1つの対象とみなすべきことを意味しており、研究計画の1つであるGKM代数多様体の構成に示唆を与えてくれる。この結果については、論文執筆並びに査読雑誌への投稿を完了させ、2020年度末に開催された国際研究集会「Toric Topology 2021 in Osaka」においてオンライン発表を行った。
また、今年度から所属が教員養成系の単科大学になったことから、数学教育学に触れる機会が多くなった。そこで、中・高における幾何教育の構成について検討した結果、現在は中・高で分断されている円周角の定理と接弦定理が接線と対称性の観点から統一的かつ簡潔に証明できることに気付いた。これについては、トピックの性質上、数学教育系の査読雑誌に投稿した方が良いと判断し、実際に投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、新たな赴任先であることとCovid-19に伴うオンライン授業への対応が同時に押しかかり、昨年度得た一般トーラス軌道閉包のPoincare多項式に関する結果の論文執筆、並びに昨年度の推進方策に書いたトーラス不変Whitney階層とDemazure型指標公式に関する考察が思うようには進まなかった。一方、GKM理論に関してはGKMグラフの幾何的な同変コホモロジー剛性というべき結果を得、論文の執筆と査読雑誌への投稿及び国際研究集会での発表を行うことができた。これにより、研究計画の1つであるGKM代数多様体の構成に関して歩を進めることができた。以上を勘案し、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
一般トーラス軌道閉包のPoincare多項式に関する結果について論文執筆を完了させ、トーラス不変Whitney階層とDemazure型指標公式に関する考察を進める。
余裕があれば、研究計画の1つであるGKM代数多様体の構成、並びに同変全Chern類をグラフ同変コホモロジーのZariskiスペクトラム上の函数と見たときに、GKMグラフとの関連において何が言えるのかを考えたい。
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Causes of Carryover |
当初の予定では、2020年の夏ごろにGKM理論を主題とした研究集会を開く予定であったが、Covid-19の影響により、取りやめになった。また、同じ理由により、旅費・人件費を支出することが全くできなかった。対応を思慮した結果、無理に今年度の研究費を消費するよりも、次年度以降に繰り越した方が研究期間全体で見た場合は遥かに有益になると判断した。そのため、2020年度分を無理に支出することはやめて次年度に回すことにした。
使用計画については、今現時点でもCovid-19の収束時期が完全には読み取れないため判断が難しいが、仮に事態が収束し、旅費や人件費の支出が可能になった場合には、従来以上に研究打ち合わせや出張を行うことで有効活用する予定である。
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Research Products
(1 results)