2019 Fiscal Year Research-status Report
L-functions of pseudo-Anosov flows and idele theory for 3-manifolds
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19K14538
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
植木 潤 東京電機大学, システムデザイン工学部, 助教 (90780081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | チェボタレフ絡み目 / イデール的類体論 / 副有限完備化 / 捻じれアレクサンダー多項式 / non-acyclc表現 / ツイスト結び目 / L不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
チェボタレフ絡み目に対し記号力学系のArtinL関数が正しい対象であることを確認した.捻じれAlexander多項式の副有限剛性とZ被覆における捻じれホモロジーのp進漸近挙動に関する研究を完成させた.ツイスト結び目の非acyclicなSL2表現の普遍変形に付随する非自明な代数的L不変量を全て具体的に決定した(丹下稜斗氏・AnhT.Tran氏と共同研究).非acylic表現は例外Dehn手術を経由するため,サーストンの双曲変形理論と肥田Mazur理論の類似性に新たな光が当たる. 査読付き論文の投稿受理 (i) Chebotarev links are stably generic, Bull.Lond.Math.Soc. (ii) Olympic links in a Chebotarev link, Proc.Int.Geom.Cent. (iii) Profinite rigidity for twisted Alexander polynomials, J.Math.Angew.Math. 一般向け記事 (iv)「イデール的類体論とChebotarev絡み目」数理科学, 2019年12月, サイエンス社. 投稿 (v) Idelic class field theory for 3-manifolds and Chebotarev links, a survey, RIMS講究録別冊. 準備中 (vi) Non-acyclic SL2-representations of twist knots (arXiv) キエフ(ウクライナ),ゲッティンゲン(ドイツ),成都(中国),九州大学,金沢大学,京都大学(2度),日本大学の研究集会で講演を行った(計8回).ほかにも,整数論サマースクール(山形)やWinterBraids(Pisa大学,イタリア)などに参加して情報収集を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(A) 主要な研究の土台となるChebotarev絡み目について出版や講演を行うことができた.1年目の計画の主要な対象であった①ArtinL関数については,ParryPollicttの記号力学系のArtinL関数が正しい対象でることが確認できたが,2年目の対象である②HeckeL関数に関する予備調査はあまり進んでいない. (B) 一方で,研究の波及効果⑤として,捻じれAlexander不変量の副有限剛性に関する論文を完成させ,投稿し受理された.そこにはZ被覆における捻じれホモロジー群のp進漸近挙動に関する結果も込められている. (C) 加えて,ツイスト結び目のnon-acyclicなSL2表現の普遍変形に付随する代数的L不変量の研究に大きな進展があった.non-acylic表現が例外Dehn手術を経由することに留意すれば,これはサーストンの双曲構造の変形理論と肥田MazurのGalois変形理論の類似性に新たな光を当てるものである. これら(B),(C)は予備調査の進捗状況(A)を補って余りあるものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
解析数論的な対象について情報収集を行い,HeckeL関数の類似物の構成を試みる.これは多少格好が悪いもの(泥人形のようなもの)でも構わないことに留意しておく. 対称表現に付随するトーションのp進漸近挙動を考察し,可能ならば新しい漸近公式を与えることで,p進L2トーションの研究への寄与を狙う.必要に応じてBenard・丹下・山口氏らと情報を交換する. 副有限剛性の問題へのライデマイスタートーションを用いたアプローチを形にする.ここから数論的ChernSimons理論のプロジェクト,例えばcusp付き空間に対するDijkgraafWittenTQFTの類似を代数体上で構成することへの寄与を狙う. ミルナーの3重絡み目数について,一般化されたガウス写像にアイディアを置く解析的表示について数論類似を与える方法を考察する.これは幾つもの重要な文脈の交錯が期待される. コロナ禍の状況においてオンラインでの発表機会を整備することは,将来的なバリアフリー促進などの観点で重要と考えられる.積極的な技術開発・技術提供によって研究交流を促進する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大によって年度末の出張が取りやめになったため. 海外渡航などの移動は引き続き制限される見込みであるため,今後は通信環境を整えてオンライン学会の実施などによって研究推進する.
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