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2021 Fiscal Year Research-status Report

Investigation of operator algebras associated to number fields

Research Project

Project/Area Number 19K14551
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

武石 拓也  京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 助教 (20784490)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords作用素環論 / 代数体 / グラフC*-環 / KMS状態 / K-理論
Outline of Annual Research Achievements

今年度は2本の論文をプレプリントの形で発表した.現在は,昨年度3月に発表した論文と併せて合計3本が論文誌に投稿中の状態になっている.
7月に発表した論文では,グラフ・テープリッツ環のKMS状態がどのように凸結合分解に関する定性的な性質を調べて,グラフの強連結成分がKMS構造の中でどのような役割を持っているかを明らかにした.これは昨年度3月に発表した論文の補足的な研究となる.
続いて,3月に発表した論文では,代数体からC*-環を作る方法として,ボスト・コンヌ以外の構成方法によって剛性定理が成り立つ場合を発見した(C. Bruceとの共著論文).この論文で考えられている構成方法は,Arledge--Laca--Raeburnによって以前考えられていたものだが,KMS状態の振る舞いが望ましくなかったために一度廃れたアイディアであった.しかし,分類問題の研究(5年前に書いた窪田陽介氏との共著論文の路線)という視点からはこの構成方法を再検討する価値があると考え,実際に剛性定理が成り立つことを証明することができた.こちらの結果は非常によい結果であると考えており,構成方法がボスト・コンヌより格段に簡単になっている点と,離散群として代数体の完全不変量を作ることができるという点が優れていると考えている.証明の方針のベースは以前の窪田氏との共著論文から大きく変わらないものの,ボスト・コンヌでは回避されていた数論由来のC*-環特有の難所がいくつもあって,それらを乗り越えられるように以前の研究の証明を改良した.
今後の研究方針としては,関数体の場合について考えることと,得られた不変量の群の群論的な性質を調べることが,興味深いテーマとして残っている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度2本の論文を発表したことで,コロナ禍が原因である研究の遅れはある程度取り戻せた.特に,3月に発表した結果は,それ自体が非常に良い結果であるだけでなく,今後の方向性も示すものであったので,今年度以降にさらなる発展が見込まれる.
しかしながら,研究の発表という面ではかなり遅れていると言える.7月に発表した論文は,国内の研究集会で1度だけしか発表する機会がなかった.3月に発表した論文は,まだ発表して日が浅いものの,研究集会では1度も発表する機会を得られていない.国内の研究集会は限られているため,海外の研究集会やセミナーなどで発表する必要がある.しかし,海外の研究集会はほぼ全て対面に戻っており,一方で海外渡航はこれまで高いハードルがあったため,海外で発表をすることは不可能だった.これが研究が遅れている原因である.現在は海外渡航が徐々に可能になってきているため,海外で発表する機会などを探したいと思う.
7月に発表した論文に関連する研究で,海外の研究者との研究打ち合わせの約束だけ取り付けてあるが,海外渡航の制約のために全く実行できていない状況にあるものが存在する.これもまた研究が遅れている要因である.

Strategy for Future Research Activity

3月の論文を発展させた研究として,関数体への一般化と,不変量として得られた群の研究の2つを考えている.並行して考えるつもりではあるが,後者を中心に取り組む予定である.この群はtopological full groupとして得られる可算の離散群であり,代数体の完全不変量であるという,ノイキルヒ・内田の定理と類似の結果が得られている.この群が代数体の完全不変量であるという定理は作用素環論を専門としない研究者にも説明可能な定理でありながら,証明には作用素環論を用いるという点がこの結果の興味深い点である.そのため,例えば数論や幾何群論など他分野の研究者と交流することも研究に大きくプラスになると考えられる.他分野の研究者と討論する機会を設けて,この群のどのような性質を調べるのがいいのかを議論したいと考えている.topological full groupについて研究している研究者は国内にもいて,国内出張に関してはコロナ禍に由来する制約などもないので,出張を行って積極的に発表・交流の機会を設けたい.
また,当然ながら,作用素環論の内部で同様の議論の機会を設ける必要もある.作用素環論でこの方面の研究者はヨーロッパに集まっていて,メールでの交流はあるものの,現地に向かい研究発表と討論の場を設ける必要がある.海外出張は必要不可欠で,コロナ禍での状況が許すのであればぜひ行きたいと思う.

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は,コロナ禍により海外出張が全くできず,国内出張にも大きな制約があったためである.海外出張は依然として制約があり,また近い将来の見通しも全く立たない状況であるので,確定した計画を示すことはできない.しかし,海外出張ができそうであれば,研究打ち合わせの予定などはたくさんあるので,可能な限り時間を取って海外出張を行い,使用する予定である.また,国内出張に関してはついに何の制約もなくなったので,発表や研究打ち合わせの機会などを増やして使用する予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 Other

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] KMS states of Toeplitz algebras of graphs2021

    • Author(s)
      武石拓也
    • Organizer
      第60回実函数論・函数解析学合同シンポジウム
    • Invited
  • [Remarks] 武石拓也のWebサイト

    • URL

      http://www.cis.kit.ac.jp/~takeishi/

URL: 

Published: 2022-12-28  

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