2019 Fiscal Year Research-status Report
放物型方程式における解の特異性保持メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K14567
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 仁 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (40813001)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 半線形熱方程式 / 多孔質媒体型方程式 / Fast diffusion equation / 特異解 / 特異点 / 非斉次 / 可解性 |
Outline of Annual Research Achievements |
半線形熱方程式と多孔媒質媒体型方程式を対象とし,特異性を保持する解の構成を中心に研究を進めた.半線形熱方程式については,いわゆるSerrin臨界の場合に動的特異点を持つ時間局所解の構成に成功した.この結果はすでに論文としてまとめ,投稿中である.また,特異性を持つ非斉次項を伴う場合の可解性を考察し,解が存在するために非斉次項の許容できる最も強い特異性の特定にも成功した.この研究は石毛和弘氏 (東京大学) と比佐幸太郎氏 (東京大学) との共同研究であり,すでに論文としてまとめ投稿し,掲載が決定している. 多孔質媒体型方程式(含 fast diffusion equation)については,先行研究では扱えていなかった空間次元が2次元の場合を考察し,適切な比較関数を構成することで動的特異点を持つ解を構成した.これはM. Fila氏 (Comenius Univeristy, Slovakia), P. Mackova氏 (Comenius Univeristy, Slovakia), 柳田英二氏 (東京工業大学)との共同研究であり,すでに論文としてまとめ投稿し,掲載が決定している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画とは,取り組む研究対象の順番を若干入れ替えたものの,研究の進展や成果発表については順調であるため.
|
Strategy for Future Research Activity |
半線形熱方程式に関しては,Serrin臨界での特異解の構成に成功したため,Serrin優臨界の場合を考察する.そのために付随する線形化方程式の解析にも合わせて取り組む.多孔質媒体型方程式に関しては,適切な比較関数の発見を試みることで時間依存高次元特異集合を持つ解を構成する.研究が予想以上に進展した場合はweakly coupledなシステムにおける特異解の分類と構成にも取り組む.
|
Research Products
(9 results)