2022 Fiscal Year Annual Research Report
放物型方程式における解の特異性保持メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K14567
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 仁 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (40813001)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 半線形熱方程式 / fast diffusion方程式 / 特異解 / 可解性 / 初期値境界値問題 / 臨界指数 / 山辺流 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は以下に関する論文2件が出版された: Marek Fila氏(Comenius University, Slovakia),Petra Mackova氏(Comenius University, Slovakia), 柳田英二氏(東京大学,明治大学)との共同研究による,fast diffusion方程式に対する特異点近傍で異方性を持つ解の構成.山本光氏(筑波大学)との共同研究による,非コンパクト山辺流に対する無限時間かけて完備性を失う解の構成. また,三浦英之氏(東京工業大学)との共同研究によって,優臨界な指数を持つ半線形熱方程式に対し,解が爆発するときにそのスケール臨界ノルムも同時に爆発することを示した.この結果は論文としてまとめ現在投稿中である.さらに,比佐幸太郎氏(東北大学)と石毛和弘氏(東京大学)との共同研究により,半空間上の半線形熱方程式の初期値境界値問題が可解であるための初期値の条件を特定した.この結果はすでに論文として掲載が決定している. 研究期間全体を通し,半線形熱方程式においては動的特異点を保持する解を構成しその特異点近傍での挙動を特定するとともに,特異点がどのように失われるかという観点から初期値問題や初期値境界値問題の可解性を扱った.Fast diffusion方程式に対しては,蛇行特異性や異方的特異性といったこれまでに知られていなかった特異解を構成した.さらに,同方程式における特異性の消失と,対応する幾何学流(山辺流)における完備性の消失との関連を見出した.
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Research Products
(8 results)