2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K14580
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| Research Institution | Kagawa University |
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Principal Investigator |
宮崎 隼人 香川大学, 教育学部, 准教授 (70752202)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 非線形分散型方程式 / 解挙動 / 散乱理論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究課題の目的である非線形分散型方程式の散乱理論構築に向けて、時間減衰する調和振動子を持つ斉次型非線形シュレディンガー方程式における解の長時間挙動を考察した。調和振動子を持たない通常のべき型非線形シュレディンガー方程式では、非線形項が解の漸近挙動に非線形性の影響が現れる臨界べきを持つ場合、非線形項の形状によってその挙動が変化することが知られている。しかし、線形ポテンシャルを持つような線形方程式の解構造が複雑な場合、非線形方程式の解の漸近形を特定することは難しく、研究代表者の知る限り、その解明は線形方程式の解表示を得ることができる一部の場合に限られている。
研究代表者は、川本昌紀氏との共同研究において、時間減衰する調和振動子を持つ臨界斉次型非線形シュレディンガー方程式において、空間3次元以下で解の漸近挙動を決定することに成功した。特に、解が散乱解を持つか、修正散乱解を持つかに対応する非線形項の形状に関する十分条件を与えることができた。本結果は、研究代表者が眞崎聡氏、瓜屋航太氏とともに取り組んだ調和振動子を持たない臨界斉次型非線形シュレディンガー方程式の解の漸近挙動に関する結果を、時間減衰する調和振動子を持つ場合に拡張したものである。線形理論に造形が深い川本氏との共同研究により、線形部にポテンシャルを持つような線形理論の知識が必要になる方程式の散乱問題を解決できたことは大きな成果であった。本結果は現在論文を執筆中であり、近日中に発表予定である。
また、青木和貴氏、戍亥隆恭氏、水谷治哉氏、瓜屋航太氏との共同研究である、結合部にキルヒホッフ境界条件を課した星グラフ上の非線形シュレディンガー方程式における解の漸近挙動に関する論文の掲載がPure and Applied Analysisに受理された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の目的である非線形分散型方程式における散乱理論構築は一定程度達成されているものの、今年度も新型コロナウィルス感染症の影響によりほとんど出張ができず、対面での議論を行うことができなかった。結果、時間減衰する調和振動子を持つ斉次型非線形シュレディンガー方程式の解の漸近挙動の研究でも積み残している課題が多くあり、継続課題であった星グラフ上の非線形シュレディンガー方程式における解の漸近挙動の研究も含め、予定していた計画をすべて達成できなかった。これらを踏まえ、進捗状況をやや遅れていると評価した。今年度が最終年度であったが、上記の状況や予算の残額も大きいため、補助事業期間の延長申請を行い来年度も研究を継続することとした。新型コロナウィルス感染症の影響を注視しつつ研究計画を再設定し、十分な研究成果が出るよう努めたい。
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| Strategy for Future Research Activity |
まず、時間減衰する調和振動子を持つ臨界斉次型非線形シュレディンガー方程式の解の漸近挙動の解析を進める。特に、解が散乱しないための非線形項の形状に関する条件の特定と、データの低周波部分が無視できない場合の解の漸近挙動の解析を進める。新型コロナウィルス感染症の影響が続くことが見込まれるが、情勢の好転が期待される。研究遂行に必要になった書籍や物品等を随時購入することや、可能であれば共同研究者の招聘、共同研究者との研究連絡や研究成果発表のための出張計画を立てることにより、適切に予算執行を行いたい。
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| Causes of Carryover |
今年度も新型コロナウィルス感染症の影響でほとんど出張を行うことができなかったため、大きな残額が生じた。今年度が最終年度であったが、補助事業期間の延長申請を行い次年度も研究を継続することとした。新型コロナウィルス感染症の影響が続くことが見込まれるが、情勢の好転が期待される。研究遂行に必要になった書籍や物品等を随時購入することや、可能であれば共同研究者の招聘、共同研究者との研究連絡や研究成果発表のための出張計画を立てることにより、適切に予算執行を行いたい。
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Research Products
(7 results)
