2021 Fiscal Year Research-status Report
Finite element methods for nonlinear partial differential equations on curved domains
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19K14590
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
剱持 智哉 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80824664)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非線形偏微分方程式 / 有限要素法 / 構造保存数値解法 / Stokes方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, 大きく分けて2つの成果を得ることができた. 1つ目は, 時間方向の不連続Galerkin法による, 高精度な構造保存数値解法の構築法を非常に一般的な形で提案したことである. この解法は, 本研究の対象である非線形の放物型方程式を含む広い範囲の偏微分方程式を取り扱うことができる解法である. この研究内容については論文を執筆中である. なお, この成果について2021年度日本応用数理学会の年会において講演した際に, 若手優秀講演賞を受賞した. また関連して, 同じく構造保存解法に関する論文を1本出版した. 2つ目は, Stokes作用素の有限要素近似に対する, L^pリゾルベント評価を示したことである. リゾルベント評価は離散Stokes半群の解析性につながる重要な不等式評価であり, 通常の偏微分方程式論の分野では古くから知られていた. また, Navier-Stokes方程式においても基礎的な役割を果たす重要な不等式である. その有限要素法による離散版の不等式評価は, これまでに知られている楕円型作用素のリゾルベント評価や定常Stokes方程式に対する有限要素近似のL^p評価の手法を適用することが困難であることに起因して, これまで知られていなかった. しかし, 今年度の研究によって示すことができた. この成果はNavise-Stokes方程式の数値解析へ応用できると期待される. 関連して, 離散的なHelmholtz射影の有界性を示すことにも成功した. これらの成果についても論文を執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Stokes作用素の有限要素近似に対するL^pリゾルベント評価については, 上述の通りこれまでに知られている手法が適用できないことから, 困難を極めると予想していた. この点について解決できたことにより, 本研究は大きく進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
1つ目の研究成果で得られた解法に関して, この解法に対する詳細な誤差評価などはまだ得られていないため, これは今後の課題である. 2つ目の課題に関しては, 得られた成果を非線形のNavier-Stokes方程式の数値解析へ応用することが重要な課題である. また, 2つ目の成果に関してはいくつかの制約があるため, その制約を外すことも検討する.
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Causes of Carryover |
昨年度に引き続き, 新型コロナウイルスの影響によって出張をすることができなかったため, 助成金にあまりが生じた. 次年度はオンサイトでの研究集会が多く開かれると予想されるため, それらへ参加して成果報告と情報収集をするために, 助成金を使用する.
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