2019 Fiscal Year Research-status Report
An Operator Theoretic Approach to Quantum Walks
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19K14596
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| Research Institution | Kokushikan University |
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Principal Investigator |
布田 徹 国士舘大学, 理工学部, 講師 (40824347)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 量子ウォーク / スペクトル理論 / ヒルベルト空間 / 作用素論 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、d次元2d状態スプリット・ステップ量子ウォークの局在化の生起条件を調べるために、その時間発展作用素のスペクトル解析を行った。d次元2d状態スプリット・ステップ量子ウォークは、2010年のKitagawaらのスプリット・ステップ量子ウォークを一般化したモデルである。本研究では、d次元2d状態スプリット・ステップ量子ウォークの1欠損(one-defect)モデルと呼ばれるものの一つに焦点を当て、従来手法では扱うことのできなかったコイン作用素に関するある条件（大まかにいうと「欠損部分におけるコインだけが固有値1を持たない」という条件）を課した。また、このモデルは、グラフ上の量子探索アルゴリズムとも関連があり、応用においても意味を持つ。
本研究は、（ヒルベルト空間上の）作用論的な手法、特にスペクトル写像定理を用いてスペクトル解析を行った。従来も1欠損モデルのスペクトル解析にはスペクトル写像定理を用いたが、本研究で扱ったモデルでは、写された先のヒルベルト空間が1欠損のあるd次元格子上の二乗総和可能な関数空間であり、その解析には独特の工夫を要した。現在までにこのモデルについて得られた結果は以下である。
(1) 判別作用素のスペクトルの具体的表示。特に、判別作用素が離散スペクトルを持たないこと。
(2) 発生の固有空間の次元が0でないこと。
(1)は従来の1欠損モデルとは異なる結果であり、(2)は従来の1欠損モデルでは調べられていなかった結果である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、多次元量子ウォークの局在化の解析のうち、d次元2d状態split-step量子ウォークの1欠損モデルというかなり限定された範囲ではあるものの、作用素論的手法を用いて新たな結果を得、研究を前進させることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、空間依存型のコインを持つ量子ウォークの各モデルのスペクトル解析、または弱収束定理について、作用素論的な手法を用いて研究を進める。
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| Causes of Carryover |
主に、購入予定であったPCを他経費で購入することができたためと、参加を検討していた国際研究集会までに内容がまとまらず、参加を見送ったため次年度使用額が生じた。
次年度の研究打ち合わせや研究集会参加、または情報収集等に費用をあてる。
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