2021 Fiscal Year Annual Research Report
経済データを用いた多元分割表のモデル提案と正確検定についての研究
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19K14600
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
生亀 清貴 日本大学, 経済学部, 准教授 (30711593)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数理統計学 / 多元分割表 / 対称性 / リスク資産データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、対称性に関するモデルを合計7つ定義した。これらのモデルには包含関係があり、もっとも制約の厳しいモデルとしては、時間の推移に対して対称的なセルすべてに対して、セル確率がそれぞれ等しいという構造を表す。制約を緩めたモデルとして、この範囲を狭めたモデルも定義した。すなわち、開始時点(時刻1)と最終時点(時刻4)のカテゴリの値を比較したとき、改善あるいは悪化したセルのみを対象としたモデルである。これについても時間の推移に関してカテゴリの値が単調に増加あるいは減少したセルのみを対象とするか、それ以外も含むかで計3種のモデルを定義した。 さらに、時刻1と時刻4を比較したとき改善あるいは悪化したセルをグループに分け、それらのセル確率の和が等しいというモデルも定義している。今回は3×3×3×3の比較的小さな分割表を想定しているため、時刻1と時刻4のカテゴリの値の差が1か2で別々のモデルとしたもの、さらに差の値に依存せず和をとったものも定義した。 提案モデルの当てはまりの良さ、さらにモデルの下での解釈を得るために、解析データとして東証一部上場企業の株価の推移を抽出し、さらに離散型データに変換したものを用意した。データは株価CD-ROM2019年版を用いて作成した。例として2009年の8月の株価に着目し、当月も含めた13週前からの株価の最大値・最小値からカテゴリの分類を行うことにした。 AICによって最適なモデルを選択したところ、解釈としては1週目の株価よりも4週目の株価の方が高い企業の割合と、同様の株価が低い企業の割合が同等であるという解釈が得られた。すなわち、この月は、株価が上昇した企業と下落した企業の割合が同等であるとみることができる。
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Research Products
(5 results)