2022 Fiscal Year Annual Research Report
Excitation dynamics in excitonic condensation phase
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19K14644
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (70756072)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 拡張ハバード模型 / 高次高調波発生 / 光学伝導度 / テンソルネットワーク / シュタルク効果 / 共鳴非弾性X線散乱 / ルテニウム酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
励起子相研究に関連して、一次元拡張ハバード模型に対する光誘起のダイナミクスの研究を行った。拡張ハバード模型では、非局所なサイト間相互作用により外場によって生成されたダブロン(二重占有サイト)とホロン(空サイト)の間で励起子が形成される。具体的には、外部電場による高次高調波発生での励起子の影響を明らかにした。また、この模型を強励起したときの励起スペクトルの変化、および直流電場を印加した際の光学伝導度についての研究も進めている。 この他、Ca2RuO4の反強磁性における中性子とX線の非弾性散乱スペクトルの理論解析を行った。この物質はスピン軌道相互作用により励起子磁性が発現している可能性が一部で指摘されている。第一原理計算から有効模型を作成し、低エネルギー励起構造を明らかにすることで中性子散乱スペクトルを再現することに成功した。また、共鳴非弾性X線散乱スペクトルの計算からどのような偏光依存性を持つかを明らかにし、実験への提案を行った。今後の実験観測が期待される。 【研究期間全体を通じての成果】本研究課題では励起子絶縁体をはじめとする強相関電子系を対象として、有限温度での励起スペクトルおよび光駆動された非平衡ダイナミクスの研究に取り組んだ。有限温度の研究では、モット絶縁体・励起子絶縁体の励起スペクトルの計算手法開発とその適用を行った。非平衡ダイナミクスの研究では、各種ハバード模型の周期外場による光誘起相転移の数値解析と、テンソルネットワーク法を用いた一次元拡張ハバード模型の強電場応答と励起子の役割の解明を行った。これらの研究から派生して、長距離相互作用を有するフェルミオン系の観測誘起相転移やスピン三重項励起子相におけるスピン流生成の理論にもつながった。以上により、強相関電子系の熱励起・光励起のダイナミクスの理論研究を進展させることができた。
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Research Products
(14 results)