2021 Fiscal Year Research-status Report
蛋白質天然変性領域がもたらす相転移ダイナミクスの構造基盤解析
Project/Area Number |
19K14677
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉村 優一 大阪大学, 蛋白質研究所, 招へい研究員 (70632248)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 核磁気共鳴 / カルボニル13C検出 / 天然変性蛋白質 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に続き、蛋白質の構造揺動を検出するための核磁気共鳴(NMR)測定手法を検討した。本研究では、高感度測定が可能な極低温プローブNMR装置を用いて、カルボニル13C核の直接検出による測定法を開発している。通常のアミド水素検出ではなくカルボニル13C核を検出することによる利点は、以下の2点である。 (1)天然変性蛋白質のNMR測定において問題となるアミド水素と溶媒との速い化学交換に由来する信号の広幅化を避けることができる。 (2)変性した蛋白質では、アミド水素よりもカルボニル13C核のほうが化学シフトの分散がよい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
育児休業による研究中断のため
|
Strategy for Future Research Activity |
目的蛋白質の発現・精製法の確立を目指しているが、蛋白質が凝集しやすい性質を有するため収量が十分に得られていない。したがって、蛋白質の発現・精製法の再検討が必要である。 この問題点について、蛋白質が相転移する条件を体系的に検証して相図を作成することで、目的蛋白質の収量を増加させるための手掛かりを得ることができると考える。相図に基づくアプローチとNMR解析の包括的な解析から、蛋白質が凝集体へと構造転移する反応の分子機序を明らかにしていく。
|
Causes of Carryover |
育児休業による研究中断(令和3年度)のため
|
Research Products
(2 results)