2022 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of plasma evolution on new electrode configuration
Project/Area Number |
19K14685
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒田 賢剛 九州大学, 応用力学研究所, 学術研究員 (40795035)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 核融合発電 / 球状トカマク / 非誘導電流駆動 / CHI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では経済性の高い球状トカマク型の核融合炉を実現すべく、新電極を用いた、電圧印加によるCHIプラズマ立ち上げ手法を国内最大の球状トカマク装置QUESTにおいて確立させる。CHIによるプラズマ立ち上げは米国の球状トカマク装置NSTXで大きな成果が挙げられている。しかし絶縁物を埋め込み真空容器自体で電極を構成する従来設計では核融合炉へ展開することは困難となる。本件では核融合炉への導入を想定した簡易型電極でのプラズマ立ち上げを試みる。QUESTはRF入射加熱の主体とする装置で、本目的が達成されればCHIで立ち上げた高密度プラズマをRF入射で追加熱するという新たな立ち上げシナリオの検討が可能になる。本件ではまず試作電極を用いた実験により理論的解明に基づくCHIによるプラズマ形成の理解を得て、その後QUEST下部領域に最適化設計された常設電極の導入改造を実施した。計画段階ではコイルの増設による性能向上を意図し、計画通りに試作コイルを用いた評価が行われた。その評価結果に基づき、コイルの増設ではなく、電極位置を現状のコイル位置に近づける改造を施して対応した。試作電極の評価ではプラズマを維持する40kAの電流駆動が達成されており、改造電極ではその3倍以上の高磁場条件での立ち上げが実施され、駆動電流は磁場条件にほぼ比例して120-140kAまで上昇した。これはこれまでのQUEST実験における最大駆動電流値を更新した。さらに同ショットにおいて従来のCHI電極で観測されたと同等の閉じ込め配位の形成も観測された。この結果は核融合炉に適応可能な新電極を設計してそれを実証するという本件の目的の達成を意味する。
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