2022 Fiscal Year Annual Research Report
軌道角運動量を持つ電子サイクロトロン波動の伝搬がプラズマ加熱に与える影響の解明
Project/Area Number |
19K14687
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
辻村 亨 中部大学, 工学部, 准教授 (00732744)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電子サイクロトロン波 / 光渦 / プラズマ加熱 / ミリ波 / スパイラル位相ミラー / 伝送系 / 軌道角運動量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は電子サイクロトロン加熱において、光の軌道角運動量が異方性媒質である磁化プラズマ中の伝搬にどのように影響するかを解明することを目的としている。 本年度はミリ波帯の平面的なガウシアンビームから光渦を表すラゲールガウシアンビームに変換できるスパイラル位相ミラーを開発した。高パワー耐性のあるスパイラル位相ミラーを核融合科学研究所の大型ヘリカル装置の77 GHz伝送系と京都大学のヘリオトロンJ装置の70 GHz伝送系にそれぞれ設置できるように、マイターベンド用フランジに収めた。既存の電子サイクロトロン加熱伝送系に、従来の加熱と比較するために、切替器を用いてバイパス導波管部を設けて、ミリ波帯光渦伝送系を構成した。 特に70 GHz伝送系において、低パワー試験だけでなく、高パワー試験も行い、光渦の伝搬特性や伝送効率を評価した。導波管から放射される光渦ビームの広がりをラゲールガウシアンビーム電場と比較した。その結果、光渦ビームの広がりはラゲールガウシアンビームでの広がりでおおよそ見積もられることが分かった。放射された光渦ビームは高い率でラゲールガウシアンに結合していると考えられる。 開発した光渦伝送系を用いてプラズマ加熱実験を行った。従来の平面波理論に比べて、光渦はより高密度領域を伝搬できることを示唆する理論に基づき、電子密度を放電中に増加させた。プラズマ加熱効率の実験的評価として漏洩波計測を用いた。まず始めに光渦を用いたプラズマ生成・加熱維持にX2モードとO2モードそれぞれにおいて世界で初めて成功した。従来の平面波的な場合に比べて、高密度領域で低い漏洩波レベルを示すような実験結果が得られたが、漏洩波計測のノイズが大きいため、今後詳細に解析する必要がある。
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Research Products
(4 results)