2020 Fiscal Year Research-status Report
プラズマ乱流がマイクロ波伝播に及ぼす影響の実験的解明
Project/Area Number |
19K14688
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
矢内 亮馬 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (40824743)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ECH / マイクロ波 / プラズマ乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はプラズマ中を伝播したマイクロ波ビームのパワー分布を測定するために測定用のモリブデン製ターゲット板を設計・製作した。製作したターゲット板は4枚からなり、20本の熱電対を取り付け、真空容器内に設置した。このターゲット板にジャイロトロンから真空容器へと伝送したマイクロ波ビームを照射して、真空容器中でのマイクロ波ビームのパワー分布測定を試みた。結果としてマイクロ波ビーム入射に伴う、各熱電対の温度上昇は確認できたが、熱電対アレイで計測した温度上昇分布は想定したパワー分布とは異なった分布となっていた。温度分布が異なった原因として、熱電対とターゲット板との接触の違いから生じる熱抵抗の違いやマイクロ波がターゲット板の隙間から入り込み不均一なターゲット板の加熱が起こった可能性が考えられる。そのためこれらの問題を解決するためにターゲット板を改良し、より正確な温度上昇を測定可能にしてパワー分布の計測を実現する必要があることが明らかになった。 また、プラズマへのマイクロ波ビーム入射し、電子サイクロトロン共鳴加熱による電子温度分布の変化をトムソン散乱計測およびECE計測により計測し、プラズマへのパワー吸収分布を見積もることで、密度揺動によって生じるマイクロ波ビームの広がりについて評価するという実験を行うつもりであったが、2020年度は実施することができなかった。そのため2021年度以降に実施予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ターゲット板を用いたマイクロ波ビームのパワー分布計測が想定通りの結果とならず、ターゲット板による計測実施が現在のところ困難なため。また、プラズマ実験が実施できていないため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きターゲット板によるマイクロ波ビーム計測の改良を進め、マイクロ波ビーム分布の直接計測が実施できるようにする。プラズマ実験により電子温度分布の変化と密度揺動分布の相関を探り、マイクロ波ビーム広がりの評価を行う。また、密度揺動によるマイクロ波ビームの広がりについて数値計算による評価を行い、2021年度以降に実施予定のプラズマ実験との比較を行えるようにする。
|
Causes of Carryover |
学会参加費などに予算を使用しなかったため。次年度は物品費、学会参加費に使用予定である。
|