2021 Fiscal Year Annual Research Report
非接触ダイバータ研究のための高感度プラズマ輻射イメージング計測の実現
Project/Area Number |
19K14689
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
向井 清史 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (90632266)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非接触ダイバータ / ボロメータ / イメージング / 輻射計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非接触ダイバータのエネルギーバランス等の解明に必要な輻射2次元分布計測器である、赤外イメージングビデオボロメータ(IRVB)の高感度化である。令和3年度は、前年度に高感度化したIRVBの薄膜検出器をプラズマ実験用に大型化し、熱特性分布の較正を行った後、筑波大学GAMMA10/PDX装置のIRVBに導入した。高感度化したIRVBによりGAMMA10/PDXのダイバータ模擬実験で輻射計測を行い、非接触ダイバータ形成のため入射する不純物ガス種による輻射強度の違いを観測することができた。 プラズマ実験で輻射分布を求めるには、実際に得られる薄膜の温度分布から2次元熱拡散方程式で変換する必要がある。そこで、薄膜の輻射率、熱伝導率、温度拡散率の分布を、較正係数として評価した。従来は、薄膜検出器にレーザーを照射した際の温度分布を再現するよう、各係数を調整しながらANSYSによる伝熱計算を反復し評価していた。新たに、予め各係数を変えた温度分布のデータベースを作成しておき、Pythonで較正実験の温度分布との誤差の最小値を求める方法に改良した結果、ライセンスフリーかつ計算時間を1/1000程度に短縮できた。 GAMMA10/PDXの計測では、これまで計測できていなかったネオン入射時の輻射を、高感度化した薄膜検出器を導入し初めて計測できた。キセノンではネオンの3倍を超える輻射が計測されており、今後窒素やアルゴンを含めたガス種の比較を行うことで非接触ダイバータのエネルギーバランスの解明への貢献が期待できる。 また、本研究で高感度化した薄膜検出器を、核融合科学研究所の大型ヘリカル装置や、京都大学のヘリオトロンJ装置にも導入した。さらに、薄膜検出器の高感度化について、Review of Scientific Instruments誌において論文発表するなどして公表した。
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