2021 Fiscal Year Research-status Report
強化学習による適応的制御を用いたプラズマの複合制御の実現
Project/Area Number |
19K14697
|
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
若月 琢馬 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 那珂研究所 先進プラズマ研究部, 主任研究員 (40734124)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | トカマク / 強化学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度はJT-60SAにおける電流分布と圧力分布の複合制御の学習を進めた。複合制御の学習には、電流分布、圧力分布を同時に時間発展させるシミュレーションを多数回行う必要があるため、昨年度までに準備を進めていたRAPTORコードを使うことで高速化したシミュレーションを用いた。電流分布と圧力分布の複合制御を行う場合、その一次元分布の形状は輸送モデルの特性に強く依存するため、制御目標は1次元分布それ自体ではなく、安全係数の最小値や規格化ベータ値など、安定性などのプラズマ性能に寄与する特徴量とすることで、輸送モデルの特性に応じて、制御目標を達成するために必要な電流分布、圧力分布に制御が行われるようになることを目指した。 安全係数の最小値が1.5以上、規格化ベータ値が2.4-3.0の間の一定値に制御されるように制御を学習したところ、100万タイムステップ程度の学習を行うことでおおむね良好な制御結果を得ることができるようになった。そこで、RAPTORコードで学習したシステムを、TOPICSコードを用いたシミュレーションで検証する計算を行った。TOPICSはRAPTORコードに比べて、プラズマ中の物理過程をより詳細にモデル化しているため、計算結果には差異が生じる。そのようなモデル化の誤差のあるような状況でも制御が可能であることが示された。この結果から、学習した安全係数分布と圧力分布の複合制御システムは、実験等のモデル化誤差がある状況に対しても適用可能であると期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はASDEX-Upgrade装置装置への実験提案を行ったが、制御システムへの組み込みへの困難さ、及び、新型コロナウィルス流行の影響による実験参加自体の困難さにより、実験を行うことはできなかった。 一方で、JT-60SAにおける電流分布、圧力分布の複合制御システム開発についてはシミュレーション上で一定の見通しを得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に開発を行ったJT-60SAにおける電流分布、圧力分布の複合制御を行うシステムについて、実機への実装へ向けた改良を進める予定。
|
Causes of Carryover |
世界的な新型コロナウィルス感染症流行の影響により、DIII-D装置を含めた外国装置への実験参加の見通しが立たなくなったため、実験参加及び学会参加旅費として計上していた予算を使用しなかった。令和4年度以降、RAPTORコードを実行する計算機の整備に使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)