2021 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical research for neutron star matter evolution
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19K14723
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
古澤 峻 関東学院大学, 理工学部, 講師 (40737251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宇宙物理(理論) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「中性子星を作る物質は何か?それがどう進化するか?」を解き明かすことである。中性子星を作る物質は、ハドロン・クォークと荷電レプトン のゼロ温度極限・β平衡状態であり、主たる成分は中性子であると考えられている。しかし、実際には、冷却や降着などに応じて、準安定な物質も混在する可能 性がある。そこで本研究では、中性子物質の準核統計平衡・元素合成計算、クォーク相形成の波面解析を行い、中性子星の表面付近や中心部分における素過程、 物質組成と天体構造の共進化、観測への影響を包括的に解き明かす。 本年度は、中性子星の誕生にあたる重力崩壊型超新星爆発に関する研究を中心に進め、学術論文1報を発表した。 その論文においては、超新星爆発中に現れる原子核の電子捕獲ニュートリノ放出反応における高密度電子の遮蔽効果の影響を明らかにした。遮蔽効果を考えることで最大30%、電子捕獲反応率が下がり、その後の原始中性子星の質量や、衝撃波の時間発展に影響する可能性を示した。それに関連して、国際招待セミナーの発表1回を行った。また超新星爆発中に現れる原子核、超新星爆発における状態方程式の影響など、超新星原子核に関して総括するレビュー論文1報と原子核の教科書の一章を執筆中である。共著論文としては、3次元新星爆発シミュレーションによる状態方程式依存性の調査や、一般相対論的超新星爆発シミュレーションに関する論文も提出済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温物質の状態方程式の計算が順調に進み、学術論文も順調に発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の骨組みである準核統計平衡計算の完成を最優先に進める。最終的には、それらを中性子星冷却計算に適用し、中性子表面における元素組成を明らかに する。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた理由: コロナ禍により出張を一度もしなかったため。また所属機関の経費にも余裕が生じ、本研究に関連した物品の購入も必要なかったため。
研究計画: 基本的には、国内および国外への会議参加の出張費に使用する。新型コロナウイルスの感染状況によっては、計算結果を保存するためのファイルサーバの購入に使用する。
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