2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K14737
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
土川 雄介 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (60796423)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マルチアノード型光電子増倍管 / シンチレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、重粒子線を用いた未知粒子探索のための検出器性能評価を実施した。マルチアノード型光電子増倍管と、無機/有機シンチレータを組み合わせることで、位置分解能を有した検出器を用意し、性能評価を行った。シンチレータにはBGOやリチウムガラス、プラスチックシンチレータ等を使用し、ピクセル毎のシンチレーション光感度等を測定した。シンチレーション光の広がりを評価する上で、ガンマ線のみならず、マイクロメートルオーダーの領域で反応が尽きる中性子を用いた調査も実施した。これにより、シンチレーション光への応答ピクセル数に対する量子線がシンチレータ内で起こす多重散乱の寄与を考慮することができた。また研究の過程で、エネルギー測定用カロリメータとは別に、前置検出器に位置分解能を持たせるシステムにも着目し、プラスチックシンチレータの2側面に1x16chのMPPC検出器を接続することで粒子の入射位置を測定するシステムも調査した。この場合、カロリメータにはLaBr等を用いることで、MeV領域のガンマ線に対して1%オーダーと非常に良い分解能を有することができる。最終的に、シンチレータ厚さは3mmから50mmと幅広い領域での調査を実施し、一枚のシンチレータとMA-PMTの組み合わせでは、最高1mm未満の位置分解能を持つことがわかった。本研究が対象とした未知粒子探索のための検出器としては、位置分解能とエネルギー分解能を良いバランスで保有することは容易でなく、後述した分離システムへの着想に至った。入射粒子の電荷判定もまた重要な要素である為、この場合プラスチックシンチレータを用いた前置位置検出器がより重要な役割を担うシステムとなる。
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