2019 Fiscal Year Research-status Report
キセノンガス検出器を用いた余剰次元を伝搬するアクシオン探索
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19K14738
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 脩平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (70834711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ガス飛跡検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに56個の小型光検出器(MPPC)のみの搭載で容量180Lのガス飛跡検出器にキセノンガスを充填し, 試運用を開始することができた. しかしポンプ故障に見舞われたため, 貴重な純キセノンガスに大気が混入し, 運転が困難となった. そのため簡易的な蒸留純化およびゲッターおよびモレキュラーシーブ等を用いてできるだけキセノンを純化した. これを残留ガス分析機等を用いることで評価を行った. その後168個のMPPCおよび2個の光電子増倍管(PMT)を増設し, 検出器の応答評価等を行なった. 1日分のデータ取得に対して8GBのHDDがいっぱいになったため, 記録するデータ量を削減するようデータ取得システムの改善に着手した. またデータ収集システムは本検出器に特化した自作であることと, 開発途上であるため, 24時間通して安定した稼働が困難であった. このため24時間常に人が監視して対処を行なった. 本課題についてはデバッグ作業を行いつつ改善中である. 主物理目的は異なるが, これによって取得したデータを用いて, 検出器の応答構成およびデザインを題材にした論文を投稿した. 低いエネルギー事象取得のため, 内部構成素材のそれぞれについておおまかに含有放射性不純物量の見積もりを行い, 現行の試作機ではドリフト電場印加用の電極が問題であることを指摘した. また将来地下で本実験を行う際の基本的な検出器デザインを考案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大気混入というトラブルもあったが, 結果的にガス純化方法を確立し, またその評価方法についても大きな知見を得ることができた. データ容量削減および安定運転という項目の達成は現在鋭意改善中であり, その中で本研究費にて購入した大容量データディスクに保存した実験データから, 検出器応答に関する論文を投稿することまでに至った.
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成中の180L容量試作機は本来は約1,000個のMPPC, 6個のPMTを設置する予定である. こらから徐々にその設置数を増やし, 検出器応答を確認する. 光検出器増設に伴って保存データ容量が爆発的に増えるため, データ収集システムのバグを取り除いてゼロデータサプレッションを実装しデータ容量削減に努める. また放電時に自動で安全にポンプ等を停止するためのスイッチング回路を準備してガス循環系統に設置する.
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[Journal Article] Design and performance of a high-pressure xenon gas TPC as a prototype for a large-scale neutrinoless double-beta decay search2020
Author(s)
S Ban, M Hirose, A K Ichikawa, Y Iwashita, T Kikawa, A Minamino, K Miuchi, T Nakadaira, Y Nakajima, K D Nakamura, K Z Nakamura, T Nakaya, S Obara, K Sakashita, H Sekiya, B Sugashima, S Tanaka, K Ueshima, M Yoshida
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Journal Title
Progress of Theoretical and Experimental Physics
Volume: 2020
Pages: 033H01
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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