2022 Fiscal Year Annual Research Report
キセノンガス検出器を用いた余剰次元を伝搬するアクシオン探索
Project/Area Number |
19K14738
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
小原 脩平 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 次世代放射光施設整備開発センター, 技術員 (70834711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ガス検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は開発中であった高圧キセノンガス検出器を改良し、余剰次元を伝播する未発見粒子Kaluza-Kleinアクシオンを探索することを目的としたものである。物理測定にあたってキーとなるポイントとして、安定的な長時間運転と有効体積の増量、良好なエネルギー分解能及び飛跡が取得できる点が挙げられる。これまでの研究過程では、データ取得および読み出しのエレクトロニクスの改良やガスシステムの全般的な見直しにより運転時間が伸びたほか、光検出器を増量することで有効体積を増量することができた。また、511 keVの信号に対して1.73 ± 0.07% (FWHM) のエネルギー分解能を達成することができ、飛跡も取得することができた。 一方で、これまでの実験環境では周囲の自然環境放射線および宇宙線によりトリガーがかかってしまうことで測定感度が制限されていたため、稀少事象探索実験としてよく用いられる地下実験サイトでの測定を目指すこととした。地下約1000 mに位置し、宇宙線ミューオンを1e-6抑えられる岐阜県神岡鉱山内に、より大きく、より高感度な検出器を新たに設置し、実験を再開する。設置場所や外部シールドの設計について複数の案を検討した結果、最もコンパクトに収まる鉛製放射線遮蔽体を構築する案を採用し、これにより体積が増量するため、ガス純化システムの見直しを再度行った。最終年度には、神岡鉱山内にキセノンガス圧力容器等の機器の設置を完了し、現在測定に向けて準備中である。
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