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2019 Fiscal Year Research-status Report

陽子過剰核の精密質量測定に向けたビーム透過型ガスセルの開発

Research Project

Project/Area Number 19K14750
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

木村 創大  国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 特別研究員 (10827348)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsガスセル / 多重反射型飛行時間式質量分析
Outline of Annual Research Achievements

令和元年度はカリホルニウム252線源からの自発核分裂片を利用した低温ヘリウムガスセル内におけるイオンの化学状態についての研究を行った。ガスセル内におけるイオンの化学状態、特に価数はガスセルの運転条件を決定する上で重要な情報であり、本研究課題の目的であるビーム透過型ガスセルを用いた早い陽子捕獲過程で重要となる陽子過剰核の精密質量測定実験を実行するために欠かせない。
研究は低温ヘリウムガスセルと多重反射型飛行時間式質量分器を組み合わせた既存の実験装置を使用し行った。カリホルニウム252は自発核分裂により非常に広い範囲の中性子過剰な不安定同位体を生成することができ、現在までに中性子過剰同位体78核種、元素だけを見ると臭素からルビジウムおよびヨウ素からユウロピウムまでの計14元素のガスセルからの引き出しに成功している。これにより各元素のガスセル内での価数に関する知見、族毎の価数の変化に関するデータを得た。今後もビーム透過型ガスセルの開発と並行して本研究課題で対象としているヒ素、セレン、ジルコニウムおよびモリブデンの引き出し試験を進めてゆく予定である。
また研究の過程において中性子過剰同位体セリウム152の質量を初めて実験的に決定した。宇宙元素合成において重要と考えられている早い中性子捕獲過程の反応経路解明には精度の高い原子核の質量データが必要であるが、このセリウム152に関する結果はそれを補うものである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ビーム透過型ガスセルに必要な物品についてはほとんど準備が調っており、ガスセル用移動式架台についても設置が完了した。加速器改修の関係でガスセルを設置予定の実験室の利用に一時制限があったこともあり作業に遅れが生じている。そのため他の既存の設備で代替できる研究事項については並行して別に進めた。

Strategy for Future Research Activity

ビーム透過型ガスセルの組み立ておよびオフライン、オンラインの各試験を行う予定である。ガスセル設置予定の実験室において長期のマシンタイムが予定されておりこれにより作業が強く制限される可能性が高い。そこでガスセルの組み立ておよびアルカリイオン源を用いたオフライン試験については他の実験室を利用して行う予定である。またオンライン試験についてはマシンタイムの割り当ての関係で令和3年度までずれ込む可能性がある。カリホルニウム252線源を使用したガスセル内でのイオンの化学形態に関する研究も並行して続ける。

Causes of Carryover

本研究課題を遂行するために購入が必要な物品が変更となったため。これは本研究課題と実験設備を一部共有する他の研究との兼ね合いによる。また当初の計画より検出器を追加で作製する必要が生じたため次年度使用額これの開発に充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] MRTOF-MSを用いた252Cf核分裂片の精密質量測定2020

    • Author(s)
      木村創大
    • Organizer
      日本物理学会第75回年次大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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