2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of particle-accelerated region in jets of active galactic nuclei with radio and optical polarimetry
Project/Area Number |
19K14761
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
笹田 真人 広島大学, 宇宙科学センター, 特任助教 (10725352)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ジェット / 偏光 / 電波 / 可視光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では電波と可視光の偏光観測による活動銀河核ジェットの物理機構の解明を主題としている。今年度では、電波干渉計によって取得されたジェットのデータに対してスパースモデリングを利用した画像復元ソフトウェア SMILI を適用し、さまざまなデータに対して画像化を行なった。複数日に取得された独立したVLBAデータに対して解析を行うことができることを確認し、活動銀河核ジェットを持つ天体3C 454.3の電波ジェットを超解像度で分解して画像化した。その結果、ジェットが日付を追うごとに動いていく様子を捉え、さらにはジェットが進行方向とは垂直な方向に振れながら移動している様子を捉えることに成功した。これはジェットが螺旋運動していることを示唆しており、螺旋磁場構造を示唆する結果となっている。 また、可視光の偏光のデータを取得するために、自動解析システムの構築も行なった。偏光標準星観測データを使った解析精度の検証も行った。無偏光標準星の偏光撮像観測データセット200以上に対して偏光を計算し、そのばらつきを調べた。その結果ばらつきは0.3%以下であることが確認でき、偏光度が1%以上となる天体データに使用できることが確認できたため、自動解析システムは実際の研究に利用することが可能となった。現在この解析システムを利用して、活動銀河核ジェットの偏光データの解析を行なっている。また、自動解析システム構築および精度検証の結果は国際研究会で発表している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電波データの解析については、活動銀河核ジェット天体である3C 454.3のVLBAによる電波干渉計観測データの解析がほぼ終了し結果が出揃っている状態である。さらには、他ジェット天体である3C 84のVLBAによる観測データの解析も進めている。 可視光データ解析については自動解析システムがほぼ完成し、データの解析の段階に移行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在執筆中の論文の投稿を目指して、研究を進める。 さらにVLBAによって取得されたデータの解析を上記で確立したやり方を踏襲して進め、他の天体のジェットの超解像画像の取得を行う。 東広島天文台かなた望遠鏡で取得された未解析データの解析を今後進め、電波干渉計観測によるジェット画像と可視光偏光を比較する。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響で出張予定がなくなったため、使用金額が減少している。状況が良くなれば、海外出張を行うため、助成金は出張費用に使用する。もし状況が改善されない場合には、パラメータサーベイを行うための計算機がまだ必要であるため、それらの購入費用に使用する。
|
Research Products
(11 results)