2020 Fiscal Year Research-status Report
Measuring magnetic fields in the vicinity of supermassive black holes through radio and X-ray observations
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19K14772
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 芳幸 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (70733989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 天文学 / 理論天文学 / 活動銀河核 / 電波天文学 / ブラックホール / 高エネルギー天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の目的は、巨大ブラックホール周辺の「磁場」という最も基本的な物理量を理論・観測 を連携して決定することにある。 そのために、降着円盤理論・ 電波観測・X線観測を連携し、巨大ブラックホールに付随するコロナからのシンクロトロン放射を捉えることで、数十シュバルツシルト半径の範囲における「磁場」を世界で初めて測ることを目指している。 これまでの成果において、我々は ALMA 望遠鏡を用いて、近傍の活動銀河核からコロナ由来のシンクロトロン放射成分を捉え、コロナが40 シュバルツシルト半径程度に広がり、また磁場強度は10ガウス程度であることを初めて明らかにしている (Inoue & Doi 2018, ApJ, 869, 114)。さらに、活動銀河核コロナに存在する高エネルギー粒子の加速起源も明らかにし、近年 IceCube Collaboration によって報告されている TeV 高エネルギーニュートリノの起源として、活動銀河核のコロナが重要な役割を果たしている可能性も示した (Inoue, Khangulyan, Inoue, & Doi 2019, ApJ, 880, 40)。 我々が電波観測に基づき、コロナからのニュートリノ放射の可能性を明らかにした翌年の2020年にIceCubeによって近傍セイファート銀河NGC1068からのニュートリノ放射が発見されている。その起源解明は宇宙ニュートリノ背景放射起源解明に直結するため、大きな話題となっている。ALMA 望遠鏡のアーカイブデータと我々の理論モデルを組み合わせることで、我々は世界に先駆けて、NGC 1068からのニュートリノがコロナ起源であることを示すことができた (Inoue, Khangulyan, & Doi 2020, ApJL, 891, 33)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にまとめた通り、2020年度も近傍の活動銀河核での観測的実証に成功しており、ALMA の解析は非常にうまく進んだ。更に、IceCubeによるNGC1068の観測結果を世界に先駆けて理論的に説明することにも成功している。これらのことから、本研究計画はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画で予定したとおり、ALMA cycle-6 の観測データの解析に取り組む。すでに観測は終えている。初期解析は終えており、これらの結果をまとめたい。また、COVID-19の影響で予定していた ALMA cycle-7 の観測が止まっている。観測が再開され、データが使えるようになり次第、Cycle-7 のデータ解析にも取り組む。
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Causes of Carryover |
COVID-19 の影響により国内・国際会議などへの出張がすべて取りやめになってしまった。今年度はCOVID-19の状況が良くなり次第、国内外の会議などへ参加し、また計算機資源にも回す予定である。
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Research Products
(12 results)