2023 Fiscal Year Annual Research Report
Measuring magnetic fields in the vicinity of supermassive black holes through radio and X-ray observations
Project/Area Number |
19K14772
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 芳幸 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70733989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 天文学 / 理論天文学 / 活動銀河核 / 電波天文学 / ブラックホール / 高エネルギー天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度における研究では、NGC 1068 におけるコロナシンクロトロン放射成分の検出に成功し、他のセイファートにおける我々の成果と同様の結果を得ている (Michiyama et. al. 2023 ApJ)。加えて、GRS 1734-292 からは数日スケールの変動を ALMA で捉えることに成功し、我々のコロナ仮説をより強固にしている (Michiyama et. al. 2024 ApJ)。また、電波放射の理解のため、円盤風の理論モデル化も進めた(Yamada et al. 2024 ApJ)。次に、IceCube により 2023年に新たに報告されたニュートリノ源 NGC 4151 由来のガンマ線・ニュートリノがコロナだけでは説明できないことを示し、新たな物理の可能性を示唆した (Inoue & Khangulyan 2023 PASJ)。 本研究計画の目的は、巨大ブラックホール周辺の「磁場」という最も基本的な物理量を理論・観測を連携して決定することにある。 そのために、降着円盤理 論・ 電波観測・X線観測を連携し、巨大ブラックホールに付随するコロナからのシンクロトロン放射を捉えることで、数十シュバルツシルト半径の範囲における 「磁場」を世界で初めて測ることを目指している。研究期間全体を通して、これらの結果をスペクトル・時間変動・多様な天体で検証することに成功し、いずれもコロナが40 シュバルツシルト半 径程度に広がり、また磁場強度は10ガウス程度であることを初めて明らかにすることに成功した。さらに、活動銀河核コロナに存在す る高エネルギー粒子の加速起源も明らかにし、高エネルギーニュートリノの起源として、活動銀河核のコロナが重要な役割を果たしている可能性も示した。
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