2021 Fiscal Year Research-status Report
氷惑星内部条件でのメタンとアンモニアの融解・分子解離挙動の解明と構造モデルの構築
Project/Area Number |
19K14815
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
門林 宏和 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, テニュアトラック研究員 (10836414)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高温高圧実験 / 天王星・海王星 / メタン / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
天王星や海王星などの巨大氷惑星の氷マントルは、主に水・メタン・アンモニアから構成されている。従来の実験的研究ではこれら氷マントル物質の高温高圧挙動を調べることにより、氷惑星の内部構造が検討されてきた。しかし、これまでの実験的研究は単一成分を扱うものであり、現実的な氷惑星のマントル条件を再現した多成分系での実験は行われていない。そこで本研究では、氷惑星マントル組成物質の高温高圧実験を行うことにより、この物質系の挙動を明らかにする。特に、メタンやアンモニアの融解や分子解離挙動に着目し、これに派生して生じるダイヤモンドや新規物質の生成とその条件を解明することを目的としている。 2021度は、昨年度から引き続き、抵抗加熱式および外熱式ダイヤモンドアンビルセルの改良を行うとともに、CO2レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセルを用いた高温高圧実験に注力した。その結果、高温高圧下におけるメタンの分子解離および重合によるダイヤモンドの生成が、氷惑星のマントル内部条件を想定したC-N-O-H系においても起こり得ることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、外部機関における実験が延期となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,ダイヤモンドアンビルセルと各種加熱法(外熱・レーザー)を組み合わせた高温高圧実験により本研究課題に関連したC-N-O-H系物質の氷天体内部条件下における挙動を調べ,得られた研究成果を査読付き国際誌へ公表することに注力する計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により、外部機関における実験が延期となったため次年度使用額が生じた。使用計画としては、ダイヤモンドアンビルセルと各種加熱法(外熱・レーザー)を組み合わせた高温高圧実験および論文投稿料に用いる計画である。
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Research Products
(6 results)