2019 Fiscal Year Research-status Report
Geochemical analysis of a microbial mat in the Archean
Project/Area Number |
19K14829
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 誠史 東京工業大学, 地球生命研究所, 研究員 (80637588)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 太古代 / 微生物マット / 安定同位体地球化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命の存在を示唆する最古の証拠は、約40億年前の太古代初期までさかのぼる。太古代前期(約35億年前)の地球には、既に活発な生態系が存在していたと考えられている。しかし太古代前期の海洋表層に生息していた微生物がどのような代謝経路を持っていたのかについては、まだその詳細が明らかにされていない。南アフリカ共和国東部ムプマランガ州に位置するバーバートン・マコンジュワ山脈の周辺には、変成度が比較的低く保存状態が良好な太古代前期の地層が広範囲に露出している。そしてその中の一部の岩石には、約35億年前の微生物マットと推定されている炭質物層が含まれている。微生物マットとは、微生物群集によって形成されたマット状の構造である。今年度、研究代表者はバーバートン・マコンジュワ山脈周辺において野外調査を行った。先行研究によって微生物マットの痕跡と推定された炭質物層が多く含まれる層準を中心として複数のセクションにて詳細な岩相記載を行い、堆積環境の推定を試みた。そして連続的なサンプリングを行い、岩石試料を合計で約50個採集した。研究代表者は、採集した岩石試料について岩石薄片を作成し、詳しい鏡下観察を行った。さらに研究代表者は全岩の炭素同位体分析を行った。そして微生物マットを構成したと考えられる微生物の炭素固定経路の推定を試みた。全岩の窒素同位体分析も試みたが、試料の窒素含有量が低く同位体比を測定することはできなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、地質調査および岩石試料採集を完遂した。さらに当初次年度に予定していた炭素および窒素同位体分析も完了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに、今後は四種硫黄同位体分析を行う。全岩および局所分析の双方を行う。さらに得られた成果について、順次学術論文および国内外の学会発表にて発表する。
|
Causes of Carryover |
本研究が当初の予定よりも速く進んだ場合を見越し念のために前倒し請求した分が、大部分未使用のままとなった。当該分析は当初の予定通り次年度以降に行う。
|