2020 Fiscal Year Research-status Report
Geochemical analysis of a microbial mat in the Archean
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19K14829
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 誠史 東京工業大学, 地球生命研究所, 研究員 (80637588)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 太古代 / 微生物マット / 硫黄同位体比 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究によって化石化した微生物マットである可能性が指摘されている堆積構造を含む太古代前期の岩石試料について、硫化鉱物の記載と四種硫黄同位体分析を行った。この結果、分析した堆積岩試料に多様な硫化鉱物が含まれていることを明らかにした。さらに分析した試料に、太古代の地質記録に特有の同位体シグナルである硫黄の質量非依存性同位体分別が記録されていることを明らかにした。一般に、太古代の地質記録中に見出される硫黄の質量非依存性同位体分別は、還元的な大気下における硫黄化学種の光化学反応によって生じたと考えられている。したがって、本研究で分析した堆積岩試料についても、還元的な大気由来の硫黄の寄与があった可能性が強く示唆される。さらに分析した硫化鉱物の四種硫黄同位体比は、岩石の岩相によって系統的に異なることを明らかにした。この同位体比の系統的な相違は、初生的な堆積環境、あるいは堆積後の続成過程の違いによって生じた可能性が考えられる。また特に、初生的なマットを構成していた微生物の代謝を制約することを目的として、微生物マット様の葉理を豊富に含む層準に注目して、同位体分析を行った。しかし、微生物の活動を明確に示唆する硫黄同位体比の証拠を得ることはできなかった。マットは硫黄代謝を行わない種類の微生物によって構成されていた可能性や、堆積後の続成過程によって初生的な同位体シグナルが失われた可能性などが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は順調に進展している。予定していた岩石試料の四種硫黄同位体分析をおおむね完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分析によって得られた結果を解析して、堆積場の初生的な硫黄循環と堆積後の岩石の履歴の復元を試みる。さらに、先行研究によって報告されている同時代の他地域の地質記録との対比を行い、太古代前期における全球的な硫黄循環の制約を試みる。これらの結果をまとめて論文を執筆し、学術雑誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
当初前倒しして行う予定だった分析の費用の一部が余った。次年度の分析や学術雑誌への投稿料等に充てる予定である。
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