2021 Fiscal Year Research-status Report
Synthetic experiments and genomic analysis for understanding a possible scenario of the birth of life in chimney structure
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19K14830
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
奥村 知世 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 特任助教 (90750000)
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Project Period (FY) |
2020-02-01 – 2023-03-31
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Keywords | チムニー / 生命の起源 / 蛇紋岩化作用 / アルカリ湧水 / ブルーサイト / カルサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、初期生命誕生・進化の場のアナログサイトである蛇紋岩化作用に関連した海底アルカリ湧水で発達するチムニー内で生じる物理化学・生化学プロセスの実態を明らかにすることで、チムニー内における生命誕生のシナリオを提案することを目的とする。 令和3年度は、初年度に新たな着想を得た流路デバイスとインジェクション法によるチムニー組織形成実験の実験系の組み立ておよび実験条件の試行を行った。また、研究対象である深海チムニー構造の微細組織について、試料の各部位から100枚以上作成した岩石薄片による2次元の構造記載に加え、X線CTを用いた3次元の構造解析を行い、組織的特性を定量的に記載することを進めた。また、主な研究対象とする、しんかい湧水域の遺伝子解析を進め、微生物群集組成の違いから、チムニー内の微環境を推定することを試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チムニー形成実験において、インジェクション法と流路デバイス法の両方法を組み合わせるとともに、2次元及び3次元でのチムニーの構造の詳細の解析を進めた。引き続き、形成実験の生成物の解析を進め、天然試料の形成メカニズムやチムニー内の微環境についての情報を収集して行く。一方、令和3年度も引き続きコロナ禍により、共同研究先へ出張が困難であったため、追加のサンプリングや分子生物実験等を実施することができなかったことから、当初の予定より若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2方式でチムニー形成実験を進め、形成物の形状や組成、物性に関するデータを取得し、アナログサイトのチムニー試料と比較する。また、新たに入手した、南部マリアナ及び北大西洋のアナログサイトのチムニー試料の組織解析を進め、蛇紋岩化作用に関連した海底アルカリ湧水におけるチムニー組織の体系的な理解へつなげる。新型コロナの感染拡大状況を注視しながら、サンプリングや分子生物実験を進めることができるよう調整を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた共同研究先へ出張が困難であったため、追加のサンプリングや分子生物実験等を実施することができなかった。また、コロナ禍において、当初予定していた研究補助パートタイマーの雇用が実現しなかった。次年度以後は、新型コロナ感染拡大について、状況が改善しつつあるなかで、早期に出張を実施し、サンプリングや分子生物実験を進めるとともに、当初の予定よりパートタイマーの勤務時間や人数を増やすなどといった方策を進める。
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Research Products
(1 results)