2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K14831
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| Research Institution | Okayama University of Science |
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Principal Investigator |
千葉 謙太郎 岡山理科大学, 生物地球学部, 講師 (80826438)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 恐竜 / 化石 / 古脊椎動物 / 性差 / 骨組織学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
現生動物では角やとさか等の構造に性差が見られることが多い。性差は主に性選択により発達し、種分化・形態的多様性に深く関連している。化石動物の中にも角やとさか等を持つものが多くいたが、これらの構造に性差が見出されることは極めて稀である。これは、手法的な問題に影響されていると考えられるため、本研究では、骨組織学的成長段階推定に基づいて、化石種の性的二型評価手法の検討を行う。化石種の中でも本研究では特に、角竜類恐竜を対象として性差・性別判定を行う。角竜類は，進化に伴って頭部後方にフリルを発達させた分類群で，そのフリル装飾の詳細な進化過程が研究されているグループである。また、角竜類のフリルは性的ディスプレイとして性選択によって進化したと考えられていたが、最近ではフリルに性差が見られないことから、性選択以外のプロセスによってフリルが進化したとの仮説も提唱されており、性差の検討が大きく注目される化石分類群でもある.
今年度は、1)プロトケラトプスの四肢骨標本の薄片作成、観察、3)プロトケラトプスのフリルの薄片作成、観察を主に行った。1）に関しては、前年度に行った予察的な観察とあわせて、複数個体のプロトケラトプスの成長曲線復元を行うとともに、四肢骨間の骨組織的な特徴の比較も行った。また、2）に関しては、自身の研究から明らかとなったプロトケラトプスのフリルに見られる装飾に関して、骨組織学的な観点から観察を行い、今後性差を見出すために利用可能かどうかの検討を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
角竜類恐竜の性差・性別を検討するために，年齢推定・成長曲線，フリル発達のタイミング，骨の再構築度の3点を知る必要があるが，前年度にモンゴルやカナダから入手した標本を追加でサンプリングすることはできたものの，コロナの影響で申請者が野外調査を実施することができず、また博物館が機能していなかったため、追加標本の輸送も行うことが出来なかった。さらに、海外の博物館で角竜類の標本・薄片の観察を行うこともできなかったため，予定した研究計画よりも遅れている.
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度からは海外の博物館での標本活動も再開できる可能性があるため、現地調査を含めて可能な限り申請研究に必要な一次データの収集に努めたい。しかし、未だ受け入れ研究者数などに影響が残っている博物館も多いため、前年度と同様に当初は予定していなかった細胞レベルでの薄片観察を行うことで，あらたな視点で性差や性別決定を明らかにすることができないかも検討する。
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| Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で海外渡航が制限されたため、海外機関への出張や海外機関からの標本輸送、さらに輸送された標本の薄片作成などを行うことが出来なかったため、次年度使用額が発生した。次年度は海外渡航が緩和され、現地調査及び標本の輸送も可能となる見込みのため、これらの活動に研究費を利用したい。
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