2021 Fiscal Year Annual Research Report
極薄六方晶窒化ホウ素ナノシートの大面積合成手法の開発
Project/Area Number |
19K14840
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 祐樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (90779068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | hBNナノシート / XPS / ラマン分光分析 / マグネトロンスパッタ / 耐熱性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究において、スパッタリングプロセスと真空アニーリングプロセスとを重畳的に実施する「ダイナミックアニーリングプロセス」によって、hBNナノシートとグラフェンの大面積合成に世界にさきがけて成功した。これまで不可能と考えられていた物理的気相成長法による2Dナノマテリアルの合成が実現したことで、「安全、簡易的、かつ大面積に高品質なBCN系ナノマテリアルの合成」という技術的ブレイクスルーが創発されたといえる。原子層レベルの厚さを有するhBNナノシートは、エネルギーロス最小化に理想的であり、ナノエレクトロニクスデバイスに応用することで、超高速性を実現し、かつ、現在の低消費電力原理限界を突破し、電力消費量の抑制を牽引する大きな効果を有するものと考えられている。一方で次世代ナノエレクトロニクスデバイス設計の際には熱特性(排熱性あるいは耐熱性)が重要な検討事項となることが知られており、hBNナノシートの熱特性評価は喫緊の課題であるといえる。そこで、hBNナノシートをアモルファスカーボン膜に混入することにより、その膜の組成および構造が熱特性に与える影響を評価した。耐熱試験は大気中においてヒーター温度を400℃~600℃に設定し、一定時間加熱することにより実施した。その後、SEMによる断面観察、ラマン分光分析による構造評価、XPSによる組成評価を行った。その結果、BN含有比が増大することにより、500 ℃以上での加熱の際に膜厚減少が抑制され、B・C・Nの各元素組成比を制御することにより大気雰囲気下で600 ℃超の加熱に耐えうる膜の作製が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)