2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K14863
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| Research Institution | Nihon University |
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Principal Investigator |
淺見 拓哉 日本大学, 理工学部, 助教 (60706571)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 超音波 / 振動 / 接合 / 溶接 / 金属 / 軌跡 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
薄板の異種金属を接合する有効な方法の一つとして超音波接合法が挙げられる。この接合法は，リチウムイオン電池，ICチップ，ワイヤーハーネス等の製造で利用されている技術である。この接合法は，静圧力と超音波振動のみで接合する方法であり，熱を用いない方法であるため融点の異なる異種金属の接合が容易に行える方法である。本研究では，従来の縦振動のみと比較した場合に振動エネルギーが大きくなる縦振動とねじり振動を組み合わせた面状軌跡の振動を用いた超音波接合法を提案し，提案方法の接合機構の解明を目的としている。令和3年度の研究実績は下記の通りである。
1. 電解研磨を施した資料を用いた接合の検討
これまで，A1050板（t = 0.5 mm, 40×20 mm）とC1100板（t = 2.0 mm, 40×20 mm）の接合について面状軌跡を用いた種々の検討を行ってきた。しかし，表面性状を変化させた場合の検討は未実施であった。そこで，A1050板のみに電解研磨を施した場合の接合の検討を行った。その結果，引張せん断強度の平均値（サンプル数5）は，電解研磨の無しの方が高くなった。一方で，引張せん断強度の偏差は，電解研磨の有りの方が小さくなった。これより，電解研磨を施すことでサンプル毎の表面性状が平均化され，それに伴い引張せん断強度のばらつきも低減することがわかった。
2. 縦－ねじり振動源の開発
既存の振動源では，長い接合チップを用いることが困難であると考え，新たな振動源の開発に着手した。既存の振動源は，保持部を2つ設けていた。しかし，長い接合チップの取り付けを考え，新たな振動源は保持部を1つとした。このような構造の振動源に関して，解析による設計を行い，作成した。その結果，新しい振動源は，既存の振動源とほぼ同様の面状軌跡を得られることを明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度の研究計画としては，令和元年度に完成予定であった振動源を用いた種々の接合特性を明らかにすることであったが，新たな振動源の作成がいまだに難航してる。しかし，長い接合チップを取り付けるための新しい振動源の開発は完了した。一方，令和3年度における接合特性の検討は，昨年度と同様に既存の振動源を用いた種々の接合特性の検討を行った。以上，振動源の開発，および接合特性について，研究実績の概要に記載の成果が得られ，超音波シンポジウムを含む10件の研究発表を行い，その結果をまとめたものを論文として投稿した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終的な目標は，面状軌跡の振動を用いた超音波接合法の接合機構の解明である。令和4年度は以下の検討を行う予定である。
1. 振動源の開発
令和元年度に実施予定であった振動源の開発を行う。既存の振動源は，接合チップの長さが3mm程度のため，接合チップ付近のA1050板の振動状態を計測することが困難であった。そこで，接合試料の振動状態の観察が容易となるように，令和3年度に開発した新しい振動源に長さ30 mm以上の接合チップを装着することを検討する。
2. 種々の条件による振動状態の測定
引き続き，従来の振動源により種々の条件による接合を行い，接合原理の解明を行う。具体的には，振動源の振動と接合強度，接合界面の観察をすることで接合原理を明らかにする。
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| Causes of Carryover |
研究の遅延により，論文投稿費用，また振動源の作成費用が未使用となり，次年度使用額が生じた。令和4年度において，これらの費用は，研究成果を論文に投稿，また振動源の作成費用に充てる予定である。
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Research Products
(12 results)
