2019 Fiscal Year Research-status Report
放電プラズマ焼結体を工具電極に用いた医療用チタン合金の放電加工
Project/Area Number |
19K14864
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
金子 健正 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60708618)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放電プラズマ焼結 / 放電加工 / チタン合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,放電プラズマ焼結法により作製されるTiN焼結体を工具電極に用いた医療用チタン合金の放電加工によって,加工と放電による微小凹凸形状付与に加えて,工具電極成分の加工表面への付着によるTiNコーティングの同時処理を行うものである.そのために,工具電極に用いた場合のチタン合金の放電加工において,その加工特性や加工表面へのTiN付着現象を含めた加工メカニズムを明らかにする.加工特性は加工速度,工具電極消耗率,表面粗さ,加工表面のビッカース硬さ,TiN層の厚さや成分分析により評価する. 本年度は,まず,SPS法による高密度なTiN焼結体の作製を行った.放電加工の工具電極には,加工精度を維持するために溶融除去にしにくいことが求められる.焼結体の相対密度が低い場合,内部の気孔により,みかけの熱伝導率が低下して溶融除去しやすくなる.これまでに相対密度98%のTiN焼結体の作製に成功しているが,相対密度は向上の余地がある.そこで,微粒TiN粉末を使用し,さらなる高密度TiN焼結体の作製を目指した.焼結時の昇温時間や保持温度を検討することにより,相対密度99.5%以上の焼結体が得られた. 次に,TiN工具電極を用いたチタン合金の放電加工特性を調査した.作製したTiN焼結体を用いて,チタン合金の放電加工を行った.その結果,工具電極の消耗は,工作物の除去と比較して2倍以上大きく,成形加工は難しいことが分かった.そのため,焼結助剤の添加を検討している.一方で,加工された表面は20μm以上のTiN皮膜の形成が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに成果が得られている. 当初の想定よりも工具電極の消耗が大きく,チタン合金の成形加工ができていないが,その対策を進めている.予備実験では,焼結助剤の使用によって工具電極消耗の低減の効果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
工具電極消耗の低減を目的とした焼結助剤の効果について調査する.加工表面のTiN層の硬さをビッカース硬さ試験により評価する.
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