2020 Fiscal Year Research-status Report
次世代エネルギラインにおけるジョイント部ナノリークのメカニズム解明
Project/Area Number |
19K14877
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大宮 祐也 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (40717203)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | シーリング / 金属接触 / 塑性変形 / 金属ガスケット |
Outline of Annual Research Achievements |
各種プラントにおける完全密封:ゼロナノリークに関しては,ナノリークメカニズムの解明がネックとなり進んでいない.本研究ではゼロナノリークの可能性が十分にあるメタルシールガスケットを対象とし,精密冶具を作成しメタル表面の変形挙動を測定および測定結果を用いた数値解析を行い,ナノリークメカニズムを明らかにすると共に,メタルシールガスケットを用いたジョイント部からのリーク量の推定方法およびナノリークを考慮したジョイント部設計方法の確立を目指す.本年度は金属平型ガスケットを対象に,JIS B2490の密封試験法に従って試験を行った.密封時の実際の表面性状が微小漏えいにどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とし,漏えい量の測定及びレーザー顕微鏡を用いて漏えい量測定試験後のガスケットの表面観察を行った.その結果,次の結果が得らえた. (1)ガスケットの表面性状に関わらず,ガスケットの接触応力が降伏応力を超えるとガスケット端部全域の表面粗さが小さくなり漏えい経路を塞ぐことで漏えい量1.0×10^-8[Pam^3/s]オーダーとなった. (2)接触応力が降伏応力より大きく,漏えい量1.0×10^-8[Pam^3/s]オーダの領域では,ガスケットの初期表面が粗いほど微小漏えい量が大きくなった. (3)ガスケット端部の接触状態を画像解析で評価した結果,表面の基準面から―0.2μm 以下の大きく凹んだ谷部がSa=2.5,Sa=1.5,Sa=0.4 のガスケットの順でガスケット端部全域で多く残っていた.ガスケット端部に残存する谷部が多く分布するほど外部まで漏えいが伝わる確率が大きくなり,漏えい量が大きくなったと考える.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在まで,実験的アプローチが進んでいるが,解析的はアプローチが遅れ気味となっている.そのため圧縮荷重作用時の変形挙動とリークの関係が量的に評価できていないことが,やや遅れの理由である.また,コロナ禍の対応が出来ず,学会発表等の公表が遅れているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように研究はやや遅れ気味ですので,有限要素解析の検討を重点的に進め,金属接触挙動と密封の関係について明らかにする.また,今までの結果について学会発表および論文作成を積極的に進める.
|
Causes of Carryover |
購入予定であったヘリウムリークディテクターを贈与されたため,利用金額に差異が生じた.しかしながら,有限要素応力が解析に注力するため,その分,有限要素応力解析のライセンス料に当てる予定である.
|