2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study on droplet motion induced by evaporation of neighboring droplets and related deposition patterns
Project/Area Number |
19K14910
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 寛 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (60758481)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 液滴蒸発 / PIV / 液滴内対流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で注目する液滴蒸発は熱伝達の素過程として様々な工業プロセスで見られる現象であるが,液滴の蒸発が近接する液滴に及ぼす影響は詳細に理解されていない.この課題に取り組むため,ここでは液滴の蒸発挙動の把握と液滴内部流れの可視化に取り組んだ. 液滴蒸発挙動の把握では,撥水面上に滴下した純水液滴1滴および液滴間の距離を変えた2滴について側面から蒸発の様子を観察し,蒸発完了までの時間や液滴の接触角などを評価した.その結果,液滴間の距離を近づけることで蒸発モードが遷移するまでに時間に変化が見られることを確認したが,そのときの接触角に変化は生じなかった.蒸発完了までの時間は液滴直径の1割程度まで近づけた条件では3割程度伸びることを確認し,液滴直径の3.5倍程度離すことで1液滴の蒸発と同程度となることを示した.また,レーザー光を用いた液滴内対流の可視化実験では,1液滴において三相界線から液滴中心に向かい液滴中心軸上で上昇する自然対流由来の流れを確認したが,近接した2液滴では近接側の三相界線から液滴頂点を経由して遠方側の三相界線に至る流れが観察された.これらの差は液滴周囲の水蒸気濃度分布の変化によるものと考えられる.液滴の近接側では水蒸気濃度が高くなることで蒸発が抑制され,遠方側と比較して温度が高くなると考えられる.このことは液滴内に熱電対を挿入して測定した温度からも確認されており,最大で0.3℃ほどの差が生じることがわかった.これより,温度の高い近接側三相界線から自然対流由来の流れが発達することで観察された流れが形成されたと考えられる.
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Research Products
(2 results)