2021 Fiscal Year Research-status Report
ナノ構造を用いた伝熱面ぬれ性デザインによる気泡微細化沸騰の制御及び促進技術の開発
Project/Area Number |
19K14912
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
海野 徳幸 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (70721356)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 冷却技術 / 気泡微細化沸騰 / サブクールプール沸騰 / 減圧沸騰 |
Outline of Annual Research Achievements |
沸騰冷却技術が次世代の電子機器冷却手法として近年注目を集めている。その中でも、気泡微細化沸騰(MEB)は1000W/c㎡を超える超高熱流束除熱が可能である一方、その発現時の伝熱面過熱度が限界熱流束(CHF)よりも高くなってしまうことが問題であった。これを低温化できれば既存のシリコン半導体向けにも適用可能性が広がる。そこで本年度は、MEB遷移後の伝熱面過熱度の低温化を目指して、減圧環境下におけるMEB発現特性を詳細に調査した。また、将来的な電子機器の沸騰冷却技術としての適用を想定して、沸騰容器についても新規に設計を行い容積が100mL以下の超小型プール内でサブクールプール沸騰試験を行った。 はじめに、超小型プール内のサブクール度がMEBに及ぼす影響を調べた。そのために、外部冷却液であるチラー循環温度を変更しながら試験を行った。基礎特性を把握するために、過去沸騰実験に多用されてきた無酸素銅を使ってデータを取得した。結果、大気圧下におけるMEB遷移時と同じようにサブクール度によってMEBに遷移する熱流束が異なることを明らかにした。また、減圧環境下におけるMEB遷移時の壁面過熱度は大気圧下よりも低くなることを明らかにした。よって、当初目的を達成できた。減圧沸騰試験時には、液体温度により飽和蒸気圧が変わるため、CHFもこれに合わせて変化することになる。減圧下の水の飽和プール沸騰のCHFは約40W/c㎡以下であるのに対し、MEBを併用した最大熱流束は300W/c㎡に到達できることも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
減圧環境におけるMEB発生特性に関する知見が得られ、大気圧下MEB時の壁面過熱度よりも低温化することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
壁面過熱度の更なる低温化に向けて、超小型プール内の冷却特性詳細を明らかにしていく予定である。
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