2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール・マルチフィジックス個別要素法による粉体解析手法の開発
Project/Area Number |
19K14922
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 達哉 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (20734544)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粒状体 / 個別要素法 / 接触解析 / 熱伝導解析 / ボールミル / 粉体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
粗視化法を適用した個別要素法解析と有限要素振動解析の連成解析における接触力の算出モデルの改善を行った.解析対象はボールミル稼働時の壁面の振動応答とした.従来提案されいている粗視化法を適用した個別要素法解析では粒子間および壁面との接触力を算出する際は粒子間に線形バネモデルを用いているが,本研究課題では,ヘルツの接触理論に基づく非線形バネモデルを導入した.従来の粗視化手法で用いられる線形バネモデルでは粗視化倍率が増加するにつれて,ミル壁面振動の周波数応答の値が増加することを確認した.一方,ヘルツの接触理論に基づく非線形バネモデルを使用すると粗視化倍率が増加しても,粗視化前の結果と比べてミル壁面振動の周波数応答の値の変化が小さくなり,高い粗視化倍率でも接触力を正確に予測できると考えられる. また,粗視化した粒子モデルに対して粒子間の熱伝導解析を行った.本研究課題においては粒子要素同士の接触面による熱伝導と粒子近傍の空気による熱伝導を考慮した.本研究における粗視化手法では粗視化前後では粒子要素の質量が保存されているが,空隙を含んだ粒子のかさ密度が粗視化前後で変化しないように粗視化パラメータを決定する必要があるため,それを考慮して熱伝導に関するモデル化を行った.ボールミル壁面からの内部の粒子要素への熱伝導解析を行い粗視化前後の粒子温度の比較して,粗視化手法を適用した個別要素法における熱伝導解析の精度を確認した.粗視化手法の特性上,粗視化倍率が大きくなると粒子要素の温度分布の空間分解能が低下するが,一定の粗視化倍率以下においては有効であることを確認した.本研究課題で採用する粗視化手法において提案した熱伝導モデルにより粒状体システムの熱伝導を再現できることを確認した.
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Research Products
(2 results)