2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児同乗自転車および三輪自転車の関わる交通事故実態の解明に関する研究
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19K14932
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| Research Institution | National Research Institute of Police Science |
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Principal Investigator |
寺島 孝明 科学警察研究所, 交通科学部, 主任研究官 (70623354)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 交通事故 / 幼児同乗自転車 / 三輪自転車 / 衝突 / 傷害 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、子供や高齢者の利用が想定される幼児同乗自転車、三輪自転車などの一般的な一人乗りの二輪自転車とは異なる自転車の交通事故実態の解明を行い、事故の低減、被害の軽減に資する安全教育や安全技術を検討するための土台を形成することが目的である。昨年度までに実施した実験データを解析し、下記のことが明らかとなったので論文にまとめた。
・路面に自転車同乗幼児が衝突する際に、幼児頭部が幼児用座席のヘッドレストを介して路面に衝突することで、直接路面に衝突するよりも頭部傷害基準値（HIC）の値も大幅に低下した。
・出会い頭事故を模擬して、リアキャリアに幼児用座席を設置した自転車に30km/hの自動車を衝突させる実験を行い、幼児用座席のシートベルトとヘッドレストが乗員の幼児ダミーに与える影響について検討した。幼児ダミーの挙動は、シートベルトの着用条件により大きく変化し、シートベルト非着用時は、車両前面との衝突後、幼児ダミーは幼児用座席から投げ出された。他方で、シートベルト着用時は、衝突開始から停止するまで、幼児ダミーはシートベルトで幼児用座席に拘束され、自転車と一体となって運動した。幼児ダミーの頭部傷害の危険性は、自動車との衝突よりも路面との衝突の方が高い傾向にあり、幼児ダミーの路面落下時の姿勢が頭部傷害の危険性に大きく影響することが示唆された。幼児ダミーと路面との衝突において、シートベルトやヘッドレストを使用することにより、幼児ダミーの傷害の危険性が低減される可能性が認められた。しかし、自転車より先に幼児ダミーが路面に衝突した場合、幼児ダミーの衝突部分に自転車の重量が加わるため、傷害の危険性が高まる可能性が認められた。このような危険性を減らすためには、チャイルドシートやヘッドレストが幼児を覆う面積を大きくするなどの対策が必要であると考えられた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響及び人体ダミーの破損による修理に時間を要したため、予定していた大規模な実車衝突実験が実施できなかったことから、やや遅れていると評価した。
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた知見を基にして、引き続き実車衝突実験を実施する。衝突形態、衝突速度、自転車の種類等の条件を変えながら複数回の実験を実施し、自動車、自転車、自転車乗員の挙動について高速度ビデオカメラにより衝突時の状況を撮影するとともに、ダミーの頭部加速度、車両や路面に残された痕跡等について更なる知見の蓄積を行う。令和4年度が研究最終年度であることから、研究成果をとりまとめて学会発表、論文投稿を行う。
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| Causes of Carryover |
予定していた実車衝突実験が実施できなかったこと、参加を予定していた国際会議がオンライン開催になったことにより、実験消耗品の購入や旅費を執行しなかったことから次年度使用額が生じている。
次年度においては、自転車等の実験消耗品の購入を行う計画である。
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Research Products
(2 results)
