2019 Fiscal Year Research-status Report
Study on Wireless Micro-robot Using Electrostatic Self-excitation
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19K14940
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
難波江 裕之 東京工業大学, 工学院, 助教 (90757171)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 静電気 / 自励振動 / マイクロロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
自励振動型静電アクチュエータは,簡素な構造,スケール効果によるスモールスケールでの優位性,直流電圧での振動駆動など,マイクロロボット,特にそのワイヤレス化に適した特徴を有している.応募者はこれまでに本アクチュエータに弾性要素を付与するユニークな手法により,電極と可動子の衝突の際の機械的損失の低減を図り,エネルギー効率・駆動周波数を大きく向上させることに成功している.この成果はマイクロロボットのワイヤレス化を大きく進めるものである.本研究では,この成果を加速度的に発展させるため,アクチュエータのさらなる改良や,ワイヤレス駆動方式の検討,またロボット化における設計手法の検討等を通して,静電自励振動によるワイヤレスマイクロロボティクスという新しい分野を切り拓くことを志向している.本年度においては,これまでに提案してきた弾性要素付与型の静電自励振動アクチュエータをマイクロロボットに適用するために必要となる構造等の要素に関して,施策ベースの検討を行った.本アクチュエータの適用対象となるロボットとしては,小型の飛翔ロボットを当面のターゲットとして設定し,アクチュエータの自体の構造や制作方法の検討に加えて,ロボットとしての機構と本アクチュエータの組み合わせの検討も行った.これにより試作した飛翔ロボットを用いた実験では十分とは言えないものの揚力の発生を確認し,本研究の実現可能性を確かめるとともに,今後の研究遂行における指標を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度予定していた新たな静電自励振動アクチュエータの性能の改善手法に関する進捗は少なかったが,2年目以降に計画していたロボットへの応用に関して一定の成果を上げることが出来たため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた知見を元に,ロボットの設計指針を主にシミュレーションをベースとして検討する.また,それを元にアクチュエータの改良に関しても構造の最適化の面から行っていく.
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Causes of Carryover |
初年度行う予定であったアクチュエータの改善に関する研究計画の一部が,ロボット機構の検討を先んじて行ったため,次年度に持ち越しになり,残額が発生した.令和2年度では,当初予定していた計画に加えて,初年度に予定されていたアクチュエータの改善を実施するため,残額はその研究に使用する消耗品を購入する.
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