2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ROS/RNS generation model in discharge electrolysis for new plasma application
Project/Area Number |
19K14956
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 一弘 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (60746973)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | パルス放電 / 粒子画像流速測定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,粒子画像流速測定法(Particle Image Velocimetry, PIV)を導入し,水上パルス放電を照射したときの水中の流動を可視化測定した。 四方をアクリル板,底面をアルミニウム板とする試料容器にトレーサ粒子を含むNaCl水溶液を注ぎ,水上に設置した針電極に正極性および負極性の高圧パルス電圧を印加し,水上パルス放電を発生させた。この状態で容器側面より幅2mmのシート光を照射することで水中の流動を可視化した。さらに,シート光の照射位置をずらすことで水中の流動の位置分解測定を行った。 容器中央部分では上向きの流動が形成され,気液界面側では容器側面方向への流動が生じることがわかった。また,負極性パルス放電を発生させたときの方が正極性パルス放電を発生させたときよりも速度が大きくなることがわかった。このときの容器側面方向への流動は,沿面ストリーマの進展による電磁流体流れに起因していると予想される。 また,放電時間の経過とともに,容器側面方向への流動が水中へと進展する様子が観察された。放電生成部では,OHラジカルが生成されており,OHラジカルによって水面の表面張力が大きくなり,水面におけるマランゴニ対流が生じていると考えられ,正極性パルス放電照射時の方が負極性パルス放電照射時よりもOHラジカルの生成量が大きいため,それによって生じるマランゴニ対流も大きくなり,結果的に容器側面方向への流動が阻害され,水中へと進展していると考えられる。 液体とプラズマの相互作用におけるROS/RNS生成モデルにおいては,上記の流動を考慮した反応モデルによってより正確な表現が可能となることが示唆された。
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