2019 Fiscal Year Research-status Report
系統事故に対して頑強な風力発電機の統合最適制御方法の開発と実機検証
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19K14957
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小岩 健太 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (80815481)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 風力発電機 / 最適制御 / 電力系統 |
Outline of Annual Research Achievements |
化石燃料の枯渇や地球温暖化の進行に伴い,風力発電の導入拡大が期待されている.しかし,風力発電機は系統事故に対して影響を受けやすいため,系統事故により風力発電機群が一斉に系統から切り離され,電力系統の大停電を引き起こすことが問題視されている. 本研究では,この問題を解決することで,風力発電の導入拡大に資するために,系統事故時における風力発電機の運転継続技術を開発を目指している. 本研究では大きく分けて,①電力変換器を含む風力発電機モデルの構築(解析),②系統事故に頑強な制御法の開発(設計),③シミュレーションおよび実機での検証(検証)の3つに取り組んでおり,当該年度においては上記①および②はもとより,③のシミュレーションによる検証までを行った.具体的には構築したモデルに基づき,モデル予測制御によるシンプルかつ系統事故に対してロバストな制御手法を開発し,数値解析ソフトによるシミュレーションによって提案手法の有効性は明らかにされた.結果として,従来のPI制御法に比べ,系統事故発生時並びに回復時において高速高精度な応答を達成した. また,関連して系統連系インバータに接続されるリアクトルの変動に対してもロバストな制御方法の開発にも着手し始めた.これにより,系統事故のみならず送電線路の不確かさに対しても頑強な風力発電システムの構築が期待できる. これらの研究に対して実験環境の整備も行っており,来年度から実機実験に着手可能な状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)各種調査結果等を基にして電力変換器を含む風力発電モデルを構築し,検証済みであること. 2)構築したモデルに対して,モデル予測制御をベースとしたシンプルかつ系統事故に対してロバストな制御方法を開発したこと. 3)シミュレーションによって提案制御法の有効性を従来の方法と比べ有効性を確認したこと. 4)実機検証のための環境構築に着手していること.
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Strategy for Future Research Activity |
系統事故時における風力発電機の運転継続技術を確立するために以下に取り組む. 1)送電線路定数が正確にわからない場合においても,系統事故に対してもロバストな制御方法の構築にも着手する.具体的にロバスト制御理論を活用し,性能と安定性を担保する制御手法を構築する. 2)実機実験による実装を踏まえた検証
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Causes of Carryover |
次年度に実験に使用する備品をまとめて購入する必要が生じたため.
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Research Products
(11 results)